【永遠のコメディアン 志村けん伝説】

20年前、健康雑誌の取材で初めてお会いし、夕刊フジの連載「志村けんの人生だいじょぶだぁ〜」などで交流がありました。14日発売の夕刊フジ健康新聞「健活手帖第15号」への登壇をお願いしたのは2月中旬。3月に入りマネジャーを通じて、胃と腸のポリープを切除して通院中で「今は健康については語りたくねぇなぁ…」とのこと。気長に待ちましょうと言っていた矢先、新型コロナウイルスで入院、急逝との報道が…。言葉を失い、号泣しました。

志村さんは自他ともに認める健康オタク。取材で体調を尋ねると、常に持ち歩いている健康診断のデータを取り出し、「γ−GTP、中性脂肪値が高いのよ」と一喜一憂。健康保険証も常に携帯していた。でもタバコとお酒はやめられない。

「365日、飲まない日はないやねぇ。オレは普段は無口でしゃべんないから、酒が潤滑油になって、飲むほどにみんなと腹割って話ができるから、いいんだよ」

4年前に肺炎を患って禁煙したが、それまでは1日3箱は吸うチェーンスモーカー。「コントの台本はストレスがたまるんです。寝ても覚めても『どうしようか…』って。そんなときの一服は精神安定剤」とも。

モットーは「うまい酒を飲むために、いい仕事をする。そのためには健康が一番」と体に良いといわれるものはことごとく試した。肝臓に効くシジミ汁を作ってストックし、ラーメンのスープや炊き込みご飯に利用。喫煙者にはビタミンCがいいというので毎朝フルーツをとり、中性脂肪には納豆。黒酢、豆乳、中国産の肝臓の特効薬も取り寄せて飲んだ。「ラップに包んでトンカチで潰して朝と酒飲む前の2回。これは効いた」と報告も。「男は骨になるまで…」と亜鉛が豊富で精子を増やすというカキ、グリーンアスパラガスも食べた。「何が効いてんのかわかんねぇ」と言いつつ、健康に留意してきたのに、いきなりコロナウイルスに倒れるとは…。

取材中、彼がポツリといった言葉がある。「オレが死んだって別に2、3日ちょっと騒がれるぐらいで、あとはもう関係ない。みんな自分の生活があるんだからさ」

いまだに大勢のファンが彼の死を悼んでいる。地元東村山市ではメッセージの募集を始めた。日本の偉大なコメディアンの功績は永遠に私たちの胸に生き続けます。ねぇ、志村さん! 聞いていますか。(音楽評論家・山岸信美)

■志村けん(しむら・けん) コメディアン。1950年2月20日、東京都生まれ。高校卒業後、ザ・ドリフターズの付き人を経て、74年に正式メンバー。『8時だヨ!全員集合』(TBS系)で次々にギャグを生み、人気者に。同番組終了後は『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(TBS系)や『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ系)などで活躍。2020年3月29日、新型コロナウイルスのため70歳で死去。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200421-00000017-ykf-ent
4/21(火) 16:56配信