◆2時間ドラマ本数が激減!?

 テレビから2時間ドラマが消えている。今年3月で1989年から30年続いた2時間ドラマの老舗枠TBS系「月曜名作劇場(旧・月曜ゴールデン、月曜ミステリー劇場、月曜ドラマスペシャル)」が終了した。かつては同枠のほか、日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」(2005年終了)、テレビ朝日系「土曜ワイド劇場」(2017年終了)などの枠が多数あり、最盛期は2時間ドラマが週に8枠、月に約30本放送された時期もあった。しかし、今年4月はたった5本、5月に至っては2本のみ(地上波のみ。再放送、連続ドラマの拡大スペシャル、複数回にわたる特別ドラマは除く=筆者調べ)と激減している。

 これまで100作品以上の2時間ドラマに出演し、連続ドラマ「民王」で体が入れ替わった首相親子に翻弄される官房長官・刈屋孝司役、「3年B組金八先生」の金八先生の同僚教師・北尚明役など視聴者の記憶に残るキャラクターを数多く演じてきた俳優の金田明夫さんは「2時間ドラマは俳優として、しっかり役を作って勝負ができる場でもあった。全てなくなってしまったわけではないが、寂しい限りです」と絶滅寸前の状況に肩を落とす。

◆視聴者離れの要因は?

 なぜ2時間ドラマは作られなくなってしまったのか。その最大の原因は“パターン化”による視聴者離れだ。

 かつては殺人事件が起き、刑事や探偵などがそのミステリーを解き明かし、断崖絶壁に追い詰められた犯人が人を殺すに至った心情を吐露するのが定番だった。

 「浅見光彦」シリーズなど数多くの2時間ドラマを手掛けてきた矢口久雄プロデューサーは「視聴者を離さないために、スタートからCMを20分は入れない。その後は3分CMを流して、3分本編、またCMと細切れになることもあった。そしてCMや時間の“またぎ”のタイミングで殺人事件やお色気のある入浴シーンを入れる。かつてはこれで成功していたのですが、本来の作り手の努力はそこじゃなかった」と内容だけでなく、パッケージ全体がパターン化していたことを指摘する。

 金田さんも「ドラマがあまりにも均一化してしまった。俳優から見ても『何だコレ?』って悲しくなる作品もありましたからね。一回、淘汰される時期なのかもしれません」と質の低下を憂慮していたという。では、一体いつから歯車が狂いだしたのか。

2019年6月22日 8時33分
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