柳楽優弥に池松壮亮、林遣都と“俳優つぶぞろい世代”の1990年生まれにあって、忘れていけないのがこの人、三浦春馬(29)の存在である。このたび、7月から始まる夏ドラマの主演に内定した。

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近年の主な韓国リメイクドラマ
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 フジテレビ関係者が言う。

「うちの火曜21時枠に、三浦が主演することが決まりました。2013年に韓国で放送された『Two Weeks』というドラマのリメイク作品です。オリジナル版は、白血病を患う娘がいる父親が、骨髄移植手術に同意したその矢先に、国家的な陰謀に巻き込まれるというストーリー。手術までの2週間、自らにかけられた疑いを晴らし、娘を救うことができるのか……という逃走劇を軸としたヒューマンドラマです。三浦が演じるのはこの父親役になると見られます。オリジナル版はBSフジで15年に放送していました」

 三浦が地上波の作品で主演を張るのは、17年の『オトナ高校』(テレビ朝日系)以来となる。その経歴を振り返れば、08年と10年に2シーズンで放送された『ブラッディ・マンデイ』(TBS系)や、戸田恵梨香と共演した11年の『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)など、数多くの作品で主演を務めてきた実力派だ。

 とはいえ、不安要素がないわけではない。前述した直近の地上波主演作『オトナ〜』の平均視聴率は3.3%(視聴率はビデオリサーチ調べ関東地区。以下同)だった。同じ「土曜ナイトドラマ」枠で翌年放送された『おっさんずラブ』は平均4.0%、最終話で5.7%を記録したことを鑑みれば、やや物足りない数字だ。

「フジの火曜21時の連続ドラマ枠は、関西テレビの制作です。最近こそヒットに恵まれていないものの、一昨年に放送された小栗旬と西島秀俊ダブル主演の『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』は平均10.6%と悪くなかった。今回の『Two〜』原作も同じくアクションが映える作品ですから、数字は狙えるはずです」(同・フジ関係者)

“■韓流原作”『グッド・ドクター』のヒット

 もうひとつヒットの“担保”となりそうなのが、すでに韓国でヒットした作品のリメイクという点である。ここのところ多い韓国リメイクの連続ドラマ作品をまとめたのが、掲載の表である(昨年、テレ朝系で放送された松嶋菜々子主演『誘拐法廷〜セブンデイズ〜』もリメイク作だが、単発のため割愛)。15年以降、コンスタントに放送されているうえ、7本中じつに5本がフジ系列の作品。韓流モノの“輸入”には定評があると言えそうだ。

「余談ですが、原作がドラマではないものの、フジで11年に放送された反町隆史の『グッドライフ〜ありがとう、パパ。さよなら〜』も、韓国の小説の映像化でした。なんだかんだ言って、フジは韓流モノが好きなんですよね。昨年の『グッド・ドクター』は平均11.2%といい数字だったわけで、韓流リメイク作で結果が出たのは事実。局としても、すでに人気がある作品を下敷きにすることで、ある程度の視聴率は見込めると判断しているのでしょう」(同・フジ関係者)

 芸能ジャーナリストの渡邊裕二氏は、こんな見方をする。

「映画の話になりますが、韓国作品をリメイクするはしりは、01年に公開された、吹石一恵が主演の『時の香り リメンバー・ミー』ではないかと思います(原作は00年公開の『リメンバー・ミー』)。当時、珍しがって両方を見比べてわかったのは、韓国版はストーリーや演出がシンプルで“分かりやすく”作られているということ。“韓国ドラマは分かりやすい”という声は聞きますし、このシンプルで分かりやすい点が求められ、韓流ドラマが日本で放送、あるいはリメイク、という流れにつながっているはず。見方によっては、分かりやすく面白いドラマを自国で作れない制作側の力不足、とも言えるでしょう。K-POPが盛り上がりを見せる音楽分野と同じ現象が、ドラマでも起きつつあるのかもしれません」

 春馬の夏ドラ、韓流の尻馬に乗れるか――。

週刊新潮WEB取材班
2019年5月7日 掲載


5/7(火) 5:58配信 デイリー新潮
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