総合格闘技イベント「RIZIN.15」(21日・横浜アリーナ)の出場者インタビューが19日、都内のホテルで行われ、ショッキングな事実が明らかになった。
セミファイナルで“神童”那須川天心(20 、TARGET/Cygames)と59キロ契約のキックボクシングルールで戦うフリッツ・ビアグタン(23、フィリピン)は、
RIZINと電撃プロモート協力契約を結んだボクシングの6階級王者で現WBA世界ウェルター級王者、マニー・パッキャオ(40、フィリピン)の推薦選手だが、
これまでパッキャオと一度も会ったことがないなど関わりは薄く本人も「正直、なぜパッキャオが推薦してくれたのかわからない」と明らかにしたのだ。
ビアグタンは、父のレイサルド氏(49)が、今なお現役のキックボクサーという“格闘家DNA”を持つキック&MMAファイターだが、
パッキャオの指導を受けた“秘蔵っ子”ではなく格闘技ファンからすれば、少々拍子抜けするニュース。
パワーアップするため肉体改造に取り組んでいる天心は“瞬殺”を宣言している。

「パッキャオに会ったこともない」
世界に衝撃を与えたRIZINと6階級王者パッキャオとの電撃契約。
大晦日の50戦無敗の元5階級王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(42、米国)と天心とのボクシングルールによるエキシビションマッチを実現した
RIZINの“二の手”に世界の格闘ファンやメディアは、“次はパッキャオがエキシビション出場か”とロイター通信が一報を流すほど騒然となった。
結局、これは先走り報道でパッキャオとRIZINにファイト契約は結ばれておらず、プロモート協力関係を結ぶという契約で、
今回は、パッキャオが推薦する“刺客”が“パッキャオ軍団”から送りこまれるという“触れ込み”だった。
対戦相手にエースの天心が用意され、しかも、試合はセミファイナルに置かれた。

だが、この日、メディアの前に初めて姿を現わしたビアグタンは、実質、パッキャオの“秘蔵っ子”でも“刺客”でもなかった。

「パッキャオとは会ったこともないんだ。親しい関係にもないのに、このチャンスをもらったことに驚いている。神に感謝しているよ」
実に素直にそう告白した。

なぜパッキャオがあなたを推薦したと思うか?と聞かれると、
「正直、それは僕にもわからないんだ。ただ貧しい家庭から努力をし続けてきた僕に神がチャンスを与えてくれたんじゃないかな」と答えたものだから会見場は失笑に包まれる始末。

ビアグタンにとって「憧れの人」は、むしろ天心の方で、そのインスタをフォローするほど。
RIZINからオファーがあったときは「本当か?夢が叶った!」と大喜びしたという。

そもそも、パッキャオとの協力関係を結んだことが明らかにされ、天心vsビアグタンのカードが発表された記者会見の段階から、
最初にリリースされた資料には、WBCフライ級フィリピン王者とあり、ボクシングのWBCタイトルと誤解されていたため(WBCのローカルタイトルはアジアだが)、
後にWBCムエタイフェザー級フィリピン王者と訂正されたほどで、ビアグタンのパッキャオとの関わりやボクシングの実力については情報不足だった。

プロボクシングの公式記録である「ボクシング・レック」によると4回戦を1試合だけ。
この日、本人が明らかにしたところによると、アマチュアでもボクシングで3試合の経験があり3勝しているが、
「オールラウンダーの総合格闘家としてのキャリアアップのために」、ムエタイ、柔術、レスリングなどを含めてボクシングに挑戦していたもので、
パッキャオが育てたボクサーが、キックやMMAの“三刀流”をしているわけではなく、
そのボクシング技術の習得に、パッキャオがなんらかの関与をしていたわけでもなかったのである。
世界を驚嘆させたメイウェザー戦を実現した流れからパッキャオというビッグネームが続き、
しかも、そのパッキャオの推薦選手だというので、未知なるファイターの登場に期待が高まっていたが、そのバックストーリーには、少々どっちらけである。

パッキャオと契約を交わし、実際に来場までするのだから興行側がパッキャオという名前を全面に出して煽りたいのは理解できる。
パッキャオ自身に推薦理由を聞くまで、ことの真相はわからないが、パッキャオとの契約が最優先され、その推薦選手についての事前調査などは不十分だったのかもしれない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190420-00010000-wordleafs-fight
4/20(土) 5:00配信