大相撲の土俵に女性が上がるのを禁じる「女人禁制」の慣行について、兵庫県弁護士会(藤掛伸之会長)は5日、法的に「女性に対する差別」とする会長声明を出した。日本相撲協会に対し廃止を速やかに検討するよう求め、政府にも撤廃に向けた指導を提言した。同会によると、弁護士会による同様の声明は全国で初めて。

 「女人禁制」を巡っては昨年4月、京都府舞鶴市での巡業で男性市長があいさつ中に土俵上で倒れ、救命のために上がった女性に下りるよう促した場内放送が批判を受けた。2日後に宝塚市であった巡業でも、同市の中川智子市長が土俵上でのあいさつを協会に断られた。

 一連の動きを受け、県弁護士会は両性の平等に関する委員会などで議論を重ねた。会長声明では女人禁制について「個人の尊厳と平等原則からなる公序に反する」などと指摘。慣行を放置することは女性差別撤廃条約や憲法、男女共同参画基本法に照らして許されず、政府に「性差別を助長する偏見の除去に努めるべき」と求めた。(小林伸哉)

2019/3/5 20:55
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