【パリ賀有勇】2015年のパリ同時多発テロの犠牲者130人中90人が死亡したコンサートホール「バタクラン劇場」で、英国を中心に活動する正体不明の路上芸術家「バンクシー」の作品が何者かに盗まれた。劇場が26日、ツイッターで明らかにした。

 AFP通信によると、盗まれたのは悲しげな表情を浮かべた少女の絵で、非常口の扉の一つに白で描かれたもの。劇場は「追想のシンボルで、すべての人のものであるバンクシーの作品が奪われ、スタッフ一同、深く憤っている」と発表。民放LCIテレビは仏捜査関係者の話として、25日夜から26日未明にかけ、複数の人物が電動工具を使い金属製の扉を切断してトラックで持ち去ったと伝えた。

 バンクシーの作品はパリ市内で複数確認されている。盗まれた絵は昨年6月に発見され、当初は本物かどうか不明だったが、写真共有アプリ「インスタグラム」のバンクシーの公式アカウントに画像が投稿されていることが分かった。

 バンクシーの絵画は昨年10月にロンドンで行われた競売で約1億5000万円の高値がついた。パリでは17年、作品が3000万円以上で取引されることもある覆面芸術家「インベーダー」の路上芸術作品も盗難被害に遭っており、転売目的の可能性がある。

1/27(日) 19:18配信 毎日新聞
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