今年を総括するセルジオ越後氏

ワールドカップ(W杯)ロシア大会を中心にサッカー界でさまざまな話題があった2018年も終わりが近づき、新年早々には「森保ジャパン」がアジア王座奪回に挑む戦いが始まる。海外サッカーについて今年の総括と、将来に向けての課題は何か。セルジオ越後氏(73=日刊スポーツ評論家)に語ってもらった。

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メッシもロナウドもW杯ロシア大会では本来の輝きは放てなかった。それでも2人はクラブで活躍し続けて、スーパースターであることは変わらない。世界的に見ても、いい選手はたくさんいるが、真のスターが少なくなっている。

次世代スターの候補は? エムバペはW杯で強烈な印象を残したが、まだ実績が足りない。ブラジルはネイマールしかいない。E・アザールも可能性はあるが、メッシの域までいけるだろうか? スペインやイタリアも大物が見当たらない。

FIFAがこの先、W杯出場枠を48チームに拡大するのもスーパースター不足だから「質より量」という狙い。試合数を増やして利益を確保する。個人的には賛成できない。現在以上に格差のあるカードが増え、試合の質は落ちる。

一方で欧州連盟はネーションズ・リーグを始めた。互角の相手と対戦する機会を確保するという意義は大きい。同時に日本にとっては国際Aマッチデーに欧州チームと対戦する機会が減り、欧州との格差が広がりそうだ。

日本では日本代表の試合の前には、メディアが「海外組」をブランド化する。海外でプレーしていればリーグやクラブの格、出場機会に関係なく、スター扱いだ。錯覚してはいけない。オランダ1部リーグで堂安は、小野伸二(元フェイエノールト)の実績にはまだ遠く及んでいない。

新しい年のサッカー界に新たなスーパースターが誕生してくれればいいが…。

12/23(日) 7:44配信 日刊スポーツ
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