14日に広島市中区の県立総合体育館で行われた「全国高校バスケットボール選手権県大会」の女子準決勝、広島観音高―広島皆実高の試合で、広島皆実の得点が加点されないミスがあったことが、県バスケットボール協会などへの取材で分かった。試合は延長戦で広島観音が61対58で勝利しており、県協会は再試合しない方針。

 協会や関係者によると、加点ミスがあったのは第4クオーターの序盤。広島皆実の選手が3点シュートを入れた際、得点掲示板の表示が変わらなかったため、広島皆実側が審判団にスコアブックを示して確認を求めた。だが、審判団は「公式スコアに記録がない」として、抗議を認めなかった。

 試合は同点のまま延長戦に入り、広島観音が3点差で勝利した。試合後、保護者らが撮影した映像を示し、再度抗議をしたが、受け入れられなかった。その後、運営する県協会が動画を確認。加点ミスが判明した。

 県協会の玉井尚樹専務理事は「ビデオ検証で運営側のミスが確認された」と説明。17日、協会幹部が広島皆実に謝罪したという。

 県協会から報告を受けた日本バスケットボール協会は読売新聞の取材に「公式ルール上、試合後に審判団が(記録用紙に)署名をしていれば試合は成立する。再試合はできない」との見解を示している。女子決勝は20日に行われる。

 スポーツ倫理に詳しい早大の友添秀則教授(スポーツ教育学)の話 「主審や副審らは、一つ一つの得点を、その都度確認するのが当然で、見逃したのであれば審判団の責任は重い。今回は勝者、敗者ともに悲しい思いをさせた。誤審を真摯しんしに受け止め、審判員の質を向上させるなど再発防止策が必要だ」

2018年10月18日 14時07分
https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20181018-OYT1T50010.html