自殺総合対策推進センターが今月、小学校から高校までの子供たちの自殺者数を分析した結果、8月下旬が多いことがわかった。厚生労働省によると、学生・生徒などの自殺の原因として最も多いのが「学校の問題」という結果が出ていることから、「夏休みがもうすぐ終わり、もうすぐ始まる学校に行かなくてはいけない」という気持ちがプレッシャーとなっている可能性もある。他方、文部科学省の調査(2016年度)によれば、少子化が進んでいるにも関わらず不登校の児童生徒数の推移は小・中学生で増加傾向にある。

 学校は行くのは当たり前なのか。21日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、そんな根本的な問題について議論した

■「自分らしく生活できる方いい」という親が増えた?

現在、不登校の生徒4人を抱える「フリースクール@なります」代表の久保正敏氏は、自身も不登校になった経験から、この施設を立ち上げた。特にタイムテーブルは設けておらず、生徒たちは自分のペースで勉強やゲームをして過ごす。「最近の親御さんには、学校に行って辛い思いするんだったら、本人がすごしやすい場所に行って自分らしく生活できるって方がいいという意見の方が多い」。

 今年4月、高校生になったのと同時に卒業したという小出潤一さんも、「学校に行きなさい」とは言われなかったようだ。小出さんと同級生で、卒業生の井上真さんは「他の人が嫌になって学校に行かなくなったわけじゃない。めんどくさくなって」と振り返る。

 一方、在校生で現在中学2年生のIさんは「自分はけっこう人間関係とかで苦労してきた。行きたい気持ちもあるけど、行くと何かが起こるんじゃないかと恐怖心がある。勉強も不利になるが、不登校にならなければ(小出)潤一さんにも出会わなかったわけだし、そういういい面を考えないとやっていけない」と話した。

■小籔千豊「行くべき、という前提で議論すべき」

「“最悪、行かなくてもいいぞ“、そう娘に言ったことがある」。そう話すのが、よしもと新喜劇の小籔千豊だ。

 「自殺するくらいなら行く必要ないというのは、どの親だって同じだと思う。ただ、その代わり、理由は言ってくれと。もちろん行かない選択肢もあるし、引っ越す選択肢もあるから、と言った。でも大前提としては、学校には行ったほうが良い。行くべき、というのがあって、その上に行かない選択肢があるということだと思う。学校が合わなくて嫌、いじめにあった、海外にサッカー留学する、理由もいろいろあっていい。ただ、古いかもしれないが、行くのも行かないのも自由、というのが最初に来るのは違うと思う」。

 そして「学校に行く以外の選択肢がわかりにくいということもある」と指摘、親として複雑な心境も覗かせた。

 「いろんな理由から僕は大学には行かず、高卒になった。いわば“大学不登校“。大学に行った人からすれば、哀れな人生なのかもしれない。でも、楽しいこともいっぱいあった。はっきり言えば、学歴とかおしゃれとか、挨拶ができるかとかが“親のファッション“になったらいけないとは思ってる、最終的には子どもの好きにしたらいい。よその家のお子さんが東大行ったと聞いて、6割くらいはええな、安心やなと感じると思うけど、残りは“うちの子の方がいいところあるから“って感じると思う。それでいいと思う。それでも、子どもたちには“大学は行ったほうがいいぞ“と言ってしまうかもしれない。ドラクエで言ったら、東大・慶応は『てつのよろい』。僕のような高卒は『ぬののふく』。やっぱり“ぬののふくで竜王やっつけにいけ“とは言えないし、“できたらてつのよろい着けた方がええよ“ってアドバイスすると思う。『ぬののふく』で行くのもいいけど、どこかで行き詰まるかもしれないし、その時しんどい思いをすると思うから」。

一部抜粋

8/23(木) 8:02配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180823-00010002-abema-soci&;p=1