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2018-08-05

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日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS系)が賛否両論の反響を呼んでいる。民放連続ドラマでは珍しく戦時中を舞台に、俳優陣の顔ぶれからも「朝ドラ」感が強い。原作にはない現代パートも加え、TBSの看板枠でチャレンジする意図をTBSテレビ制作局ドラマ制作部の佐野亜裕美プロデューサーに聞いた。

日曜劇場『この世界の片隅に』に向けられる話題は多岐にわたる。原作は累計130万部を突破した、こうの史代の同名マンガ。映画化された劇場アニメもヒットした作品を実写で連続ドラマ化した理由から佐野プロデューサーに尋ねた。

「賛否両論の反応があることは想定内でしたが、原作を読んだことがない方も映画をご覧になっていない方にも面白がってもらいながら、違った切り口のものにしたいと、企画を立ち上げた時から散々考えました。原作を忠実にしつつも、時制を入れ替えたり、足したり引いたり。ドラマでは二階堂ふみさん演じる「りん」を丁寧に描いていき、尾野真千子さんの「径子」も膨らませたいと思っています」(佐野氏/以下同)

また、同枠としても民放連続ドラマそのものからみても珍しい「戦争」をテーマにした作品を選んだことについても聞くと、「日常を積み重ねていくことでかけがえのなさが紡がれていくわけですが、それが不条理に失われてしまことは戦争に限りません。今も変わらないことではないかと思ったのが、この作品を選んだ一番のきっかけです。ドラマは多様な作品があるからこそ面白いと思っています。それに編成も賛同してくれたことも意気に感じて、自分らしく作っていこうとスタートしました」と答えが返ってきた。

しかし、これまでこの枠で成功してきた勧善懲悪の痛快エンタテインメント作品とは異なる作風であることに不安はなかったのか。

「テンポアップして次々と進めてしまっては話の良さが失われてしまいます。飽きられてしまうのではないかと心配はありますが、この作品独特の時間の流れ方を守っていかないと別のものになってしまい、これを原作として連ドラにした意味がなくなると思っています」

 では、原作にはない現代パートを加えた演出の狙いは何か。

「企画段階から構想していました。テレビは『ながらメディア』ですから、わかりやすいある種テレビ的なアプローチも必要だと思ったからです。批判が出ることも想定していましたが、最後までご覧になったら、きっと『あってよかった』と思っていただけると思います。はじめにアイデアをいただいたこうの先生からは『現代パートがとても好きです』と言ってもらい、その言葉に力をもらっています」

 さらに聞けば、話が進むごとに現代パートの真の狙いが明らかになっていくという。

>>2以降に続く