連日の猛暑で高校野球の地方大会でも観客らに救急搬送者が続出している。
主催する朝日新聞社と日本高等学校野球連盟(高野連)は熱中症対策を各都道府県高野連に呼びかけたが、
内容について専門家は「十分とはいえない」と疑問を投げかける。

これから地方大会は佳境を迎え、8月5日には甲子園大会が開幕予定だが、大丈夫なのか。

19日には熊本市の藤崎台県営野球場で、観戦中の10代の男女34人が熱中症の疑いで病院に搬送された。

18日には岐阜県の大野レインボースタジアムで、吹奏楽部の生徒(17)ら女子高校生6人が手足のしびれなどを訴えて搬送。

15日には群馬県高崎市で観戦中の小学生から50代の男女11人が病院に運ばれた。

大阪府の酒井隆行教育長は20日、北大阪、南大阪大会の試合時間を朝や夕方にずらすことを検討するよう府高野連に要望したと明らかにした。
朝日新聞社と日本高野連は19日、都道府県高野連に熱中症対策を呼びかけた。
「想定以上の暑さが続き、一部の地方大会で応援の生徒らに体調不良者が出たため」(朝日新聞社広報部)とする。

呼びかけの内容は、甲子園大会や2013年8月に甲府市で40・7度を記録した山梨大会での取り組みを参考例としたもので、
理学療法士による選手への対応や、環境省が公表するWBGT(暑さ指数)と観測気温を目安とした対応などが挙げられている。

甲子園球場での対策について、朝日広報部は「スタンドや球場内に医師、看護師、理学療法士を配置し、出場選手らの体調を見守っている」
「救護体制については、事前に地元警察、消防当局や球場側と調整し、スタンドに配置した警備担当者らから大会本部に一報が入り、球場内での救護措置だけでなく、速やかに救急搬送ができるようにしている」とした。

地方大会で搬送が相次いでいる観客向けの熱中症対策については、水分補給や着帽の呼びかけ、「具合が悪くなった場合は速やかに本部へ連絡をする」といった内容だ。

「これで十分とは限らない」と語るのは、熱中症対策に詳しい産業医科大学教授の堀江正知氏。「選手とともに観客も対象とした救護所があるほうがよい。
重症者に対応できるよう冷水を入れた簡易用プールを用意し、心臓疾患などがない人は全身を冷やすのが最も効果的」とした。

順天堂大学名誉教授(衛生学)の稲葉裕氏は「これらに気をつければ予防にはなる」とする一方、「環境省の暑さ指数の指針とずれがあると思う」と指摘する。
環境省の指針では、暑さ指数31度以上の場合、運動は原則中止としているが、朝日と高野連の呼びかけでは「中止」は明言されていない。

大会そのものの見直しを求める声も出ている。松井一郎大阪府知事は19日にツイッターで「高校野球は春と秋開催にすべきでしょうね」とつぶやいた。
スポーツライターの小林信也氏は「日本の夏がこれだけ酷暑になれば、暑さで選手はもちろん応援に来る家族や高校生たちを危険にさらすことになる。最低限、開催時期の見直しが必要ではないか」と述べた。

ドーム球場での開催や「秋の甲子園」への変更を検討することはあるのか。朝日広報部に聞いてみた
「全国大会をともに主催している日本高校野球連盟とともに、安全で円滑な大会運営ができるよう、様々な角度から検討してまいります」との回答だった。

2018.7.23
http://www.zakzak.co.jp/spo/news/180723/spo1807230004-n1.html

2018/07/23(月) 23:19:53.58
http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1532355593/