1995年に公開された劇場版アニメ「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(押井守監督)の4Kリマスター版ブルーレイディスク(BD)が22日、発売される。国内のみならず、海外のアニメ、映画などに影響を与えた名作。これまでもブルーレイディスク(BD)なども発売されているが、4Kリマスターによって新たな表現を目指したという。押井監督に製作について振り返ってもらいながら、4K版の魅力について聞いた。

 ◇手の技でできたアニメ 4K版はフィルムの再現ではない

 「GHOST IN THE SHELL」は、近未来の電脳化社会を舞台に架空の公安組織の活躍を描いた士郎正宗さんのマンガが原作。「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(S.A.C.)」シリーズ、「攻殻機動隊 ARISE」シリーズなどが制作されたほか、スカーレット・ヨハンソンさん主演の実写版も話題になった。

 「GHOST IN THE SHELL」は、そもそもフィルム(アナログ)の作品だ。押井監督は「デジタルアニメの先駆けと言われているけど、セルアニメなんです。CGは部分的にしか使っていない。フィルムの最後の仕事だった。アニメは手の技。セルを8枚重ねたシーンもある。4、5種類のフィルターを使い分けていた。手仕事の良さがあると思う。執念がこもっている」と当時の苦労を振り返る。「当時、10カ月で作るしかなかった」と厳しいスケジュールの中で製作されたこともあり、これまでもBDなどになってきたが「見直す度に脂汗が出る。リニューアルの度に微妙に修正してきた」という。

 4K版については「僕が当時作ったものとは違う」と前置きしながら「良かった」とも話す。「フィルムの持っている情報量の多さは想像を超えている。一方、デジタルは画素数が決まっている。フィルムには魔法の力がある。フィルムで育った人間は、フィルムが基準になっている。ただ、フィルムと違っていていいとも思う。(4K版は)フィルムで再現するのがテーマではない。フィルムより素晴らしい部分もある。これからの世代は違う。生まれた時からデジタルで育っている。フィルムが基準の人とは違い、今の世代にはこれが本命とも言える」と語る。
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