日大前監督の内田氏も井上コーチも、責任転嫁と受け取れる発言を繰り返した。
前日宮川選手が会見で話した内容の核心部分は、すべて自らの責任ではないと否定した。

内田氏は「ルールの中で全て行うのが基本と考えている」と繰り返し、悪質なタックルを指示していないと強調した。

6日の定期戦の数日前から宮川選手を練習から外すなど、精神的に追い込んだ事実は認めたが、
「ハッパをかけることはある」と平然。同選手が将来有望な存在だったが、指導者の言葉への理解力が足りず、精神的に未熟だったと言わんばかりにこうも言った。
「ああいうことになってしまうことは予想できなかった。上級生として期待し過ぎたのかな」。反則行為は選手の思い違いだと示唆した。

結局は、関学大への回答書にあった「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)があった」という従来の主張をなぞっただけ。
宮川選手が明かした「やらなきゃ意味ないよ」との監督の言葉についても、「それは言ってないと思う」。表情を変えずに完全否定した。

直接「つぶせ」と言葉をかけたことを認めた井上コーチは、高校時代から宮川選手を指導しており、熱意は伝わった。
「僕が過激な表現になってしまった」と時折苦しそうな表情も見せたが、負傷させるよう指示したのか核心についてはやはり否定。

同選手の陳述書にあった「相手がけがをして秋の試合に出られなかったら得だろう」
「定期戦がなくなってもいい」との言葉は「一言一句覚えていないが、使っていません。けがとか言った覚えはない」と断言した。

試合から17日後に行われた記者会見。2時間以上を費やしても、指導者としての誠意は感じられず、謝罪や辞意を口にしても保身が垣間見える。
退部を表明した宮川選手へ、内田氏は「フットボールに戻ってほしい」と言ったが、本人にはどう聞こえただろうか。 

時事通信 5/23(水) 23:10配信
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