2018.04.07
日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/226659

たけし軍団の動向がここまでメディアを賑わせるのはある意味、フライデー襲撃事件(1986年)以来だろう。

 ビートたけし(71)のオフィス北野からの独立に端を発した一連の大騒動。事態は軍団メンバーであるつまみ枝豆(59)、ダンカン(59)、
グレート義太夫(59)、水道橋博士(55)の4人がブログで「たけし軍団一同」として、たけし独立の原因は森昌行社長(65)による会社の私物化と断定するに至り、混乱に拍車がかかっている。

 軍団一同は、たけしが知らぬ間に森社長がオフィス北野の筆頭株主になっていたことや、森社長をはじめとする会社の役員報酬が容認できない水準になっていたことを問題視。
また、東国原英夫もツイッターを更新し、かつて森社長の経営方針に意見した際にはたけしにボコボコに殴られたが、
先日、番組で共演した際には「お前、事実を(各メディア等で)自由にしゃべって良いからな」「『あの時はすまなかった。
今となっては、お前の言う事が正しかったと痛感している』という事だった」とツイート。森社長による会社の私物化は積年の問題だったことがわかる。

これに対して森社長は週刊新潮誌上でインタビューに応じ「私一人が悪者にされている」と反論。会社の筆頭株主になったのは26年前でその際にはたけしやたけしの妻にも報告済み。
1億円ともいわれる役員報酬についても法外ではないと説明し、これ以上の批判に対しては法的手段も辞さない構えだ。

■1億円批判も04年の年収は8500万円

 オフィス北野は約30人の従業員を20日付で全員退社させ、規模を縮小して再出発の道を探るという。
だが、森社長と所属タレントである軍団の対立が長引けば、会社は解散必至。となれば、困るのは事務所がなくなる軍団のはずだ。
しかしながら、落としどころの見えないドロ仕合が続いているのである。

 いわば身内の恥を、たけしが新事務所「T.Nゴン」に移籍を果たした今になって蒸し返すことに疑問は残るが、そもそも、軍団が批判する森社長の筆頭株主問題は26年も前の話だし、1億円の報酬についていえば、
高額納税者番付が最後に発表になった04年の森社長の推定年収は8500万円(納税額2888万円)。

 同年のたけしは推定年収1億9400万円(納税額6932万円)。その後のたけしの活躍ぶりを考慮すれば、森社長の年収が8500万円から1億円になったところで法外というレベルではないはずだ。

 むしろ、根が深いのは長きにわたってたけしの威を借り、あぐらをかいてきた軍団メンバーの方じゃないかという声にも耳を傾けるべきだろう。

「仕事を持ってこないのに高給取りだとマネジャーばかりが悪者扱いされていますが、テレビマンが本気で使いたくなる才能の持ち主であれば仕事は向こうから舞い込む。
軍団のある古参メンバーなんてヒマ過ぎて、普段は愛車の手入れが日課ですから。
飲み癖も悪いし、態度もでかい。一緒に仕事をしたいテレビマンはいませんよ」(テレビ関係者)

 森社長を悪者にすることで何が解決するとも思えない一連の騒動。たけし軍団の声高な主張とは裏腹に、自業自得の哀れみすら漂い始めた。