80年代後半から90年代前半にかけて西武ライオンズを6度日本一に導いた森祇晶監督が、日本シリーズの“第2戦重視”を唱えたことはよく知られた話である。
10年以上も前、筆者が新聞記者時代に野球担当の先輩から「2戦目が大事だと言っておけば、初戦も気を抜かないでしょ。あれは1、2戦目が大事だと言っているんだよ」と教わったことがある。

さてハリル・ジャパンである。ロシアW杯の組分けが決まり、日本はポーランド、コロンビア、セネガルとH組に入った。いずれのチームも前線のタレントが強烈だ。
1次リーグを突破するには基本的に勝ち点「4」が最低ノルマ。つまり2敗は許されず、1つは必ず勝たなければならない。

前回のブラジルW杯ではギリシャ、ナイジェリア、アメリカ、アルジェリアが「4」で突破を果たしている。

ここで好例となるのがハリルホジッチ監督が率いたアルジェリアだ。ベルギーとの初戦で逆転負けを喫しながらも、気持ちを切り替えて臨んだ韓国戦に4―2で勝利。
そしてロシアとの第3戦に引き分けて、同国初の決勝トーナメント進出を決めたのだった。

日本の試合順はコロンビア、セネガル、ポーランド。指揮官は「初戦が一番大事」と語っているが、建前のようにも聞こえる。
日本がもしブラジルW杯に続いてコロンビアに敗れようともジ・エンドになるわけではない。そのことを彼自身、アルジェリアで実体験として得ているのだから。

今回は2戦目のセネガル戦こそが最重要だと考える。マネ、ケイタの快足のアタッカーは脅威だが、今年1月のアフリカ・ネーションズ杯では準々決勝で敗退している。
組織力には疑問符がつくだけに、他の2チームに比べてつけ入る余地はあると言っていい。

セネガルに勝てば最後のポーランド戦にも勢いが出てくる。合言葉は“第2戦重視”だ。(スポーツライター)

12/8(金) 12:03配信
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