バブル期の俺の青春時代について語らしてくれ!
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俺は今,54歳の爺さんに近いオッチャンなんだが,こんな俺にも青春時代があった。
当時は,携帯もwebメールもなくて,連絡手段はもっぱら父母がいる家の電話でハードルが高い。
今では考えられないと思うが,俺の友達は待ち合わせ場所を間違えたことが原因で別れた。
去年の暮から,大学時代を立て続けに思い出すことが重なったので,一人語りをしたい。
当然ことながら,身バレ防止の為,フェイクをかなり入れる。
俺自身,スレ立てたの初めてだし,ROM専だから,色々とわからんこと多い。スレチとか間違いあったら教えてほしい。
あと,需要が無かったらやめようと思う。 当時(1988年3月)のスペック
名前はもちろんフェイク。
圭(俺の名前):身長173cm,体重65kg,老け顔。顔面偏差値は50(ヒロミ談)
年齢:20歳
職業:関東圏の国立大2年生(理系)
性格:お調子者,DT。女心が全く理解できない大馬鹿者(ヒロミ談)。やや天然。
その他:仕送り無しの苦学生。学校以外はほぼアルバイト。 さくら(俺の彼女になる人):身長145くらい(俺の身長から判断),体重??(数値は最後まで教えてくれなかったが,撫肩で超細身のバレリーナ体型),A−カップ(背と胸が小さいのがコンプレックス)。顔面偏差値は客観的に見ると60くらいだと思うが,ベタぼれの俺にとってはどんなアイドルよりも可愛い天使。
年齢:20歳
職業:関東圏内の私立大2年
性格:おとなしい(男性の前だと特に)。超ド天然(ヒロミ談)。高校時代は「箱入り娘(過剰包装)」的なあだ名があったそうだ(ヒロミ談)。ヤキモチ焼き。
その他:文学少女。ピアノが得意。 ヒロミ(さくらの親友):身長165cm位,体重?(体重は恐ろしくて聞いたことがないが,痩せ型でスタイル良),Eカップ。小悪魔系美人(顔面偏差値65くらいかな),一人で歩くと,よくナンパされていたそうだ。
年齢:20歳
職業:関東圏内の私立大2年(さくらと同じ大学,ちなみに中高もさくらと一緒)
性格:社交的,聞き上手。コミュ能力は黒柳徹子なみに極めて高い。男勝り。特に俺に対してはズバズバいう。
その他:色々と器用。楽器全般それなりに弾ける。本人曰く,秀でる部分がないため「器用貧乏」。 俺もそろそろ終活しない時期になってきたので,なんか記録に残しておきたかったんだよね >1だか、急遽飲み会に呼ばれたため、携帯から書いている。続きは明日の夕方、書くが見てる人いるかな? フェイクが多いならいらんかな
フェイクで突然モテだしたりするんでしょ? 仕事前にちょっと書く
>>9 そのとおり。文字化けしたようだ
>>11 実はモテ期の話だったりする
>>12 まあ,そのとおりだから,書くことにする
>>13 ふっと,思いついた名前を入れたんだが,失敗だった。 まあ,ここにこんなことを書くきっかけは,去年の12月,仕事中にヒロミから俺のFBに友達申請の通知から始まる。
FBのメッセンジャーには,
「圭ちゃん見〜つけた!お久しぶり,元カノ(笑のスタンプ)のヒロミだよ〜!また,お友達になってくれますか(ワクワクのスタンプ)」
まったく,30年経っても変わらないな〜と思いつつ,申請を了解してから,メッセンジャーに返信した。 ・俺を30年以上も放置していて,今更,連絡よこすなんてどういうことだ(怒りのスタンプ)
・俺がホイホイと「良いよ!嬉しいよ(ハートのスタンプ)」と優しく返信するような,軽い男だとでも思っているのか!
・まあ,そのとおりの男だが・・・と返信した。 ヒロミ:相変わらず,微妙にスベっているよw!成長してないな(笑),久しぶりに声が聞きたいから,電話できる?
もうすぐ,昼休みだったので,メッセンジャーに携帯番号と通話可能な時刻を伝えた。 他の職員がいない喫煙ルームで電話を待っていたら,思っていたとおり,時間ピッタリに携帯電話が鳴った。
時間の正確さは相変わらずようだ。
俺「ハイ,(圭名字)ですが」
ヒロミ:「お久しぶりヒロミです!圭ちゃん元気!私は圭ちゃんと電話できたから超元気だよ!」
声とほとんど変わっていなかったが,テンションがめちゃ高い。。。
俺:「こちらこそ,お久しぶり。とりあえず,この前のドックは肝臓の数値以外はかろうじてクリアしたよ。」
ヒロミ:「FBの顔写真見たけどあんまり変わっていないね!頭がフサフサで良かったw。でも,白髪染めなよ!顔のパーツは若そうだから,40代後半くらいには見えるよ!」
俺:「大きなお世話だよ!ヒロミこそ変わってないな,うまく誤魔化せば30台後半にも見えるよ」
ヒロミ:「嬉しい!相変わらずそういうところだけは上手いわね!でも,子供が産めない体になっちゃった。。」
俺:「え?」
ヒロミ:「”あがった”ってことでしょ!相変わらず鈍い!同級生はまだある人いるのに,これでもショックなのよ!」
俺:「なあ,ヒロミ!大阪のオバちゃん化してないか?」 ヒロミ:「大きなお世話w」
ヒロミ:「ところで,今晩,リモートで飲まない!?話したいこともいっぱいあるし。」
俺:「今晩19時以降なら確実に大丈夫だよ!ホントは会って話をしたいところだけど,遠すぎるよね。」
ヒロミ:「あとね,私の娘が○○大の☓☓で**をやっているんだけど,圭ちゃんの話を聞きたいって。」
俺:「いいけどさ。俺の情報漏らすなよw。さくらの時みたいに”お見合いおばさん”の復活か?俺,ピチピチギャルは大好きだよ!」
ヒロミ:「また,スベっているよ!でもホント,会いたいな〜。あとね,さっきの話の続きだけど,今なら”ゴムつけなくても”大丈夫だよ(ハート)」
俺はヒロミがわざとはしゃいでいるように感じていた。昔,彼女は不安なことが悲しい事があると,無理をして明るく振る舞っていたからだ。 俺:「全く・・・俺にどうしろとw」
俺:「でも,俺さ,ずっとヒロミと話をしたかったんだよ。さくらの話もしたかったんだ。俺の友達関係でさくらのこと知っている人はいないし,30年も経つと,本当にさくらが存在していたのか不安になる時があったんだ。ひょっとしたら俺の妄想だったとかさ・・・」
ヒロミ:「うん・・・何となく分かる。」
ヒロミ:「実はね。もう分かっているかもしれないけど,私ね,圭ちゃんに連絡するの・・・,本当はすっごく不安だったんだ。圭ちゃんはすっかり偉くなっているし・・・,最後に酷いことしたと思うし・・・」
俺:「そんなことはないよ!それは違うぞ!」
ヒロミ:「・・・・」
俺:「おい,泣いているんのか?乙女か??」
ヒロミ:「違う違う・・・・・でも,昔のままの圭ちゃんでよかった。」 俺:「あとさ,ちょっと真面目に話すけど・・・,俺さ,54歳になっちゃったけどね・・・・」
俺はわざと低音でハードボイルド風に話した。
俺:「俺の”マグナム”は現役バリバリだぜ!」
ヒロミ:「www・・・でも,本当は”マグナム”じゃなくてロケット花火じゃないのww」
ヒロミの切り返しは昔通り厳しい。。。
俺:「ロケット花火って,どういうことだよ。大きさ?太さ?それとも・・・”着火から爆発までの早すぎる”とか?」
ヒロミ:「wwwwそこは,掘り下げなくてよろしい!ww」
俺:「今晩,リモートで俺のマグナムが爆発するかもしれないぜ!」
ヒロミ:「一人でやってろww。見ててあげるよw。でも娘の前では禁止ねww」
俺:「あとで俺の”マグナム”の取説をPDFで送っておくよ」
ヒロミ:「ちょっとウケたからって調子に乗らないww!!」
俺:「ハイ,ごめんなさい」 ヒロミ:「ありがとう。相変わらず優しいね。そうやってわざとふざけて・・・」
俺:「こういう優しを見せる男は,体が目当ての場合がほとんどだから,気をつけたほうが良いよ」
ヒロミ:「ハイハイ,ところで飲み会はz00mでいい?私でセットしておくよ」
俺:「後でメアド送っておくよ」
ヒロミ:「さくらの写真も用意しておくね。圭ちゃんの手元には1枚も無いんでしょ?」
俺:「さくらの最後のお願いの一つだっからね。しかも,写真を見たかったらヒロミと一緒に見ろってね。」
俺:「さくらの気持ち,あの時はわからなかったけど,今ならよく分かるよ。」
ヒロミ:「3人一緒の飲み会は,ホント,楽しかったよね。」
「そうだ!覚えてる?私の胸の谷間のことで,さくらが圭ちゃんにブチ切れたの?」
俺「確か,3人の中で1番に良いところが何か,それぞれに言い合う,わけのわからんゲームだったよね」 ヒロミ:「あれね,私の人生の中の三大爆笑ネタの一つよw」
「圭ちゃんは,あの時までにさくらのおっぱいネタで2回も怒られているのさ・・よりよって,圭ちゃんだったら,私の良いところは・・『胸に谷間がある』って言ってさーwww」
「そしたら,圭ちゃん,さくらの前で正座させられて,お互い正座で向き合ってwwwwww,さくらの第一声がお怒りモードの時に使う丁寧語で,『私たちは交際するときに,お互い,嘘や隠し事をしないと約束しましたね。圭ちゃんは,前に,胸の大きさなんて関係ないって言っていましたけど,やっぱり,本当は胸が大きい人のほうが良いんじゃないんですか?本当のこと言って下さい!』って言ってwwww,圭ちゃん,めちゃくちゃ動揺して,あり得ない変な言い訳してwwwさくらに怒りの燃料を次から次に投下してさwwww,さくらの天然が爆発して,お互い会話が噛み合わなしww」」
「さくらは最初は”胸”って言っていたのに,圭ちゃんが動揺して”おっぱい,おっぱい”って言うから,さくらまで”おっぱい”って言うようになってwwww,だって,正座で向き合って,真面目な顔で,オッパイがーとか,オッパイはーって言っているだよwww
「私,笑い声出さないようにしてたら過呼吸でタヒそうになって,腹筋崩壊して,こらえるの大変だったんだからwwww」
俺:「そもそも,最初にヒロミが『この話は二人で解決してね〜』って台所に逃げるからさー,あの時本当に恨んだよwww,あの後,さくらの後ろの冷蔵庫の所で,さくらから見えないこと良いことに,何度もしゃがみ込んでプルプルしていたよなwww。あとさ,”野球の審判のアウト”のゼスチャーや,胸の谷間を見せつける変なセクシーポーズをしていたろう。あれはないぞっw」
ヒロミ:「最後の方で,圭ちゃんが確か・・・『俺はさくらのことを世界で一番愛してる。だから,さくらのおっぱいは世界で一番キレイで可愛いと思っている。信じてほしい』みたいなこと言って,あれで,私,崩壊しちゃったんだよねwww」
俺:「確かヒロミがヒックヒックしながら『お願い,もう許してwww許してwww・・圭ちゃんを許してあげてwwww』って言っていたよなww ヒロミ:「あなた達の会話って,傍から見ていると,コントだったよ。天然VSド天然みたいなw」
俺:「おいおい,ヒロミとさくらの会話は,俺から見ると,さくらのボケとヒロミのツッコミの漫才だったよw」
ヒロミ:「今日はすごく楽しみ!それじゃ,また後でねw」
俺:「俺もすごく楽しみだよ!それじゃ,また後で,切るよ!」
ヒロミ:「OK!」 電話が終わって,メアドをメッセンジャーに送ると,すぐにヒロミからメールが来た。
z00mのURLが貼られていた。
メールには,今日のリモート飲み会を楽しみにしていること,早くても全然かまわないこと,などなど彼女の気持ちが長く綴られていた。あと,さくらとの約束だから,写真は送れないが,3人の思い出の曲を添付すると書かれていた。
添付のmpegのファイル名は几帳面な彼女の性格が出ている「Bach,Arioso-***.ver-***,***,***202112**(演奏者,日付諸々の情報)」。
俺は,彼女の事務処理能力が高いことに感心しながら,ずいぶんと重いファイルを送ってきたな・・・と思いながら,ヘッドホンを付けて,ファイルをクリックした。 1時間後,俺は自宅に戻っていた。
仕事は溜まっていたが,ひどく混乱して,仕事ができる精神状態ではなかった。自分自身に失望し,情けなく感じていた。
会社を出る時,事務の女の子に「今日は体調が悪いから帰る。何かあったら携帯に連絡してほしい」と伝えたら,俺が早退するのは,滅多にない事なのでかなり心配された。 俺はベットに横たわって,33年前の事を思い出そうとしていた。
ヒロミとさくらと俺で,事あるごとにずいぶん笑い合っていた。
あの時,俺は人生の中で幸せの絶頂期だったと思う。
さくらとは動物園,映画,公園,図書館・・・色んな場所でデートした。そして,3人でのドライブや宅飲み・・・だが,順番も時系列もバラバラだった。あんなに楽しかったはずの会話を思うだそうしても,断片的だった。
まあ,ベタだが時間は残酷だ。記憶力には自身があったが,これじゃ,ヒロミに怒られるな〜,そう思っていた。 夕方5時まで待ってヒロミに連絡した。ヒロミも時間が空いているようなので,z00mを繋いだ。
ヒロミ:「まだ,お酒飲むのはさすが,早いから,まずは,おしゃべりしましょうかw」
俺:「そうだね。ありがとう!」
ヒロミ:「久しぶりの3人の飲み会だから,まず,さくらの写真を共有するね」
PC画面に映し出されたのは,30年ぶりに見る彼女の笑顔。だが,30年以上俺の記憶の中にある彼女そのままだった。
俺はしばらく,涙が出そうになるのをこらえて無言で彼女の写真を眺めた。 ヒロミ:「遺影に使った写真だよ・・・。すごく可愛くて・・・天使みたいで・・すごく幸せそうで・・・・」
ヒロミは涙声になってから,ビデオををオフにして,音声だけにした。
俺:「そうだな。さくらは,いつも,こんな感じの素敵な笑顔だったよね! この写真はヒロミが撮ったの?」
ヒロミ:「”いつも” じゃないし!! 写真を撮ったのは,私じゃないよ!!」
俺:「え?」
ヒロミ:「本当に・・50過ぎても,何もわかっていない!!!鈍感!!!ちょっと待って!!!」 しばらくして,ヒロミはさくらの別の写真を共有した。
さくらがドレスを着て笑っている写真だった。
ヒロミ:「この写真は覚えている?」
俺:「え・・・・これも,ちょっとわからないが・・・」
ヒロミ:「もう・・・これね,圭ちゃんも一度見たことあるよ。これは,○☓会(ヒロミとさくらが所属していた社会人も含めた音楽サークル)の定期発表会の時に,会のメンバーで前からよく知っているプロのカメラマンが撮った写真でね,そのカメラマンが『さくらちゃんの笑顔のベストショットが撮れたよ!自信作だよ!』って渡してくれたんだよね。思い出した?」
俺:「ああ,少し思い出した。・・・部屋にあった写真だよね・・・」 ヒロミ:「そう。私達の部屋で宅飲みしている時ね,写真立てにあるこの写真を見た圭ちゃんが『まあまあの笑顔だけど,もっと可愛い笑顔をしてるだろ』って言って,部屋にあった”写ル○です”を取り出して,プロより,もっといい写真を撮ってやるって言って,圭ちゃん,いつものようにふざけて,プロのカメラマン気取りでね『ハイ,笑って』とか『表情が硬いな〜笑え!』とか『ヒロミも笑わせろよ』とか言ったあとでね・・・」
ヒロミ:「圭ちゃんが,また,ちょっとふざけて 『 さくら! 愛してるよ! 』 って言ったら・・・」
ヒロミ:「さくらが・・・,ちょっとだけ怒って・・・はにかんだ後に・・・,すごい満面の笑みになって・・・」
ヒロミ:「私はさくらと付きあい長いけど,恋する乙女みたいな感じで・・・あんな良い笑顔初めてで・・・。わかった!?あの写真は,その時に圭ちゃんが撮ったんだよ!!!!」ヒロミは号泣していた。 俺:「ああ,全部思い出した。俺たちが付き合っているの事をヒロミに白状した日だよな・・・。あの写真撮ったこと・・・なんで,忘れていたんだろう・・・・」
ヒロミ:「圭ちゃん,さくらの写真持っていなかったから・・・・,あの後ね,さくらが圭ちゃんの話をするときにだけね,私にも時々あの笑顔を見せるようになったの・・・いっぱい惚気けて・・・『今日,圭ちゃんがね・・』って言って・・あの笑顔をね・・・・・・・・」ヒロミは声を詰まらせていた。
俺:「そうだったんだ・・・教えてくれてありがとう。ちょっと恥ずかしいけど・・・知っていると思うけど・・・二人でいる時のさくらの口癖だった『圭ちゃん!大好き!』って言った後,いつも,あの笑顔だったと思う・・・。俺の記憶に一番残っているのが,あの笑顔だったんだ。」
ヒロミ:「あとね,この話には,圭ちゃんの知らない続きがあるの・・・今日,話したかった大事な事の一つ・・・」 >>35
終活活動の一環なので長くなっている。
これでも,リアルでは,会議や仕事での発言は,かなり短いほうだ。 ヒロミ:「あのね,さくらのお通夜の前にね,遺影の写真がまだ決めていないから,さくらのお母さんに頼まれてアルバム持っていったの。さくらのお母さんが『せめて,一番の笑顔の写真にしたい』って言って,時間はあまりないのに,さくらのお母さん,時間をかけて,アルバム1枚1枚めくってね,選んでね・・・アルバムから候補の写真を取り出して・・・,候補が10枚くらいになったんだけど・・・,さっきのプロカメラマンの自信作は入って無くてね・・・」 ヒロミ:「それでね・・・候補の写真を見たときに気づいたんだけど・・・,全部ね・・・,圭ちゃんとのツーショットの写真か・・・,圭ちゃんが撮った写真でね・・・・。圭ちゃんの写真・・・少ないのに・・・大学の学園祭の写真とか,発表会の写真とか,部活とかゼミの写真とかいっぱいあるのに・・・お母さんが選んだ写真は,全部,圭ちゃん絡みでね・・・全部よ!!!全部!」 >>39
本来であれば,全体構成を考えてから書くべきだと思うが,ちょっと前の話と,30年以上前の過去の話がごっちゃになっている上,現在進行系の話もあるので,ストーリー展開は決められない。
かなり遅くて,長いと思う。
よかったら見てくれ! 続きです。
ヒロミ:「それでね・・・あの遺影に使った写真を取り出してね・・・私に見せてね・・・『やっぱりこの写真が一番いいと思うんだけど,どう思う? 可愛くて,すごく幸せそう!』ってお母さんが言って,『私もそう思う』って話したの・・・」
ヒロミ:「それでね・・・悩んだんだけど・・・候補に残った写真が全部,圭ちゃん絡みだって言うことと・・・遺影に選んだ写真を撮る時の圭ちゃんとのやりとりをね・・・さくらのお母さんに伝えたら・・・,それまで・・・頑張って涙を見せなかったのに・・・,号泣して・・・『短い人生だったけど,本当に・・・本当に・・・幸せな時期があって・・・良かった・・・』って,最後にちょっとだけ笑ってね・・・・圭ちゃんにすごく感謝していてね・・・・」
ヒロミは泣き声で声を詰まらせながら話していた。俺は,放心状態で話を聞いていた。一言も話せず,相槌すら打てなかった。 ヒロミ:「お母さんはね『(圭名字)・・・さくらのあんなに愛してくれて・・・,もう長くないのわかっているのに,婚姻届に自分の名前書いて持ってきて・・・出させてくれって・・・あんなに真剣に言って・・・,さくらは怒っていたけど本当は嬉しそうだった・・・。さくらは・・・運命だったと思うし,(圭名字)さんがいてくれたから,最後は幸せだったけど・・・(圭名字)さんには,辛い思いをさせて申し訳ない・・・』って言ってね・・・『それなのに・・・さくらだったら,葬式には絶対来るなとか,墓参りに来るなとか・・馬鹿なこと言って・・・』って言って,前かがみで泣いて,しばらく,話もできなくなってね・・・,私ね・・・『圭ちゃんは,あれは俺に対する最後の思いやりなんだろうなって言ってました・・・,でも,さくらの名前を書いた婚姻届と,圭ちゃんのあげたプレゼントを棺の中に入れるって,さくらの遺言を聞いて,少しだけ笑っていましたよ』って伝えたらね・・・」 >>36
50過ぎで終活とか言うな
最後に余命〜とかいうオチはやめろよ >>43
「終活」という言葉に語弊が有ったとは思うが,価値観の違いなので,誤解を解いておく。
俺の父親は俺が4歳の時に,さくらの父親は彼女が中2の時に,そして彼女自身は21歳で亡くなっているから,タヒについて彼女とずいぶん話し合っていた。そんな事もあって,俺自身,いつタヒんでも悔いがないようにと思っている。
あと,彼女の遺言の一つに「俺の夢を叶えてほしい」ということがあって,俺は何とかタヒぬ前に自分自身満足した結果を残したいと考えている。だが,これから仕事ができる期間は10年+α・・・短いな。
だから,「終活」という言葉は50代が使うようになっているが,今思うと彼女が亡くなった日から俺の「終活」は始まっていたと思う。
あと,今月中に再検査のCTを撮る予定だが,医者に「念のため」って言われている程度だから,そういうオチにはならんと思う(なったらイヤダw)。
長いなw スマソ! 続きです。
ヒロミ:「また,お母さん,泣いちゃって・・・話が出来なくなって・・・」
俺:「婚姻届か・・・今にして思えば,重度の中二病だよな。単なる自己満足だったかもしれない・・・。でもさ,さくらは俺と結婚したいって・・・,病気がわかった後も,俺のお嫁さんになりたかったって,泣きながら何度も言っていたから,最後に叶えてあげたかったんだよな・・俺にできること何もなかったからね。」
ヒロミ:「さくらのお母さんは,圭ちゃんの気持ちと覚悟を・・・十分に分かっていたよ・・・だから,圭ちゃんに・・・すごく感謝してた。それでね,その後ね・・・・さくらのお母さんが『聞きづらいだけど,さくらは(圭名字)さんと体の関係はあったのかしら?』って聞くから,『さくらは貞操観念がすごく強かったけど・・・結婚の約束をした後ですけど,ありましたよ』って正直に話したんだ。あとね『さくらのお父さんとお母さんが,大学時代に友達たちや両親を驚かすために,2年も内緒で交際していたってことに憧れて,嫌がる圭ちゃんを巻き込んで同じことをしていたんだけど,結局,私にだけは内緒にできなくて直ぐに白状したんですよ』って話したら『本当バカね!付き合い始めは多分3年生の夏休み前よね。あんなにウキウキして幸せそうにしていたから,私はすぐに気づいたのに・・・探り入れても,彼氏なんかいないよーって言って』・・・『でも,大好きな人と一緒になれていてよかった・・・,もっともっと,さくらと色んな話をしてしておけばよかった・・』って,また号泣してね・・・」 俺:「さくらのお母さんから,手紙貰ったけど・・・中身はひたすら感謝の言葉で,さくらはもういないから早く立ち直って欲しい,(圭名字)さんの夢は,さくらの夢だから叶えてほしいって書かれていたけど,この話は書いていなかった・・・」
ヒロミ「だって,圭ちゃんボロボロの状態だから,この事知ったら,立ち直れなくなるかもしれないからって・・・,私が,この話は圭ちゃんにしないでねってお願いしたから・・・今思うと正解どうかわからないけどね・・・。私は圭ちゃんが落ち着いたときに話そうと思っていたんだ・・・それなのに私・・・・ごめんなさい・・・圭ちゃんずっとずっと辛かったのに・・・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」
ヒロミは号泣しながら謝り続けていた。
俺:「おい,ヒロミ!やめろ!少し落ち着け!ヒロミは何も悪くない,だから・・」
ヒロミ:「だってこの事を伝えるの私の責任でもあるのに・・・,それなのに私・・・ごめんなさい・・・本当にごめんなさい・・・」
俺:「ヒロミ!もうやめろ!!俺はヒロミに感謝している。今こうやって話を聞けて本当に嬉しんだ!だから,俺に謝るな!」 ヒロミ:「違うの,それだけじゃないの・・・本当は最初に話そうと思っていたんだけど・・・」
俺:「おい,まだ何かあるのか? でも,ちょっと落ち着け! 頼むから!」
ヒロミはかなり時間を空けてから話し始めた。
ヒロミ:「実はね,私の父ね・・・もう長くないの・・・。本当は墓場まで持っていくつもりだったらしいんだけど・・・10日前にね・・私に全部話してくれた・・・。私ね,その時初めて聞いたの・・・圭ちゃんが家に電話をくれたのに・・・私に取り次がないで・・・父が圭ちゃんを呼び出して会っていたって・・・これで全部わかるでしょう!私は圭ちゃんからの連絡を待っていたし,圭ちゃんは私からの連絡を待っていたし・・・ごめんなさい・・・圭ちゃんはあの時ボロボロだったのに・・父がそんな事するなんて私・・信じられなくて・・・」 俺はヒロミが30年以上も連絡をしてこなかった理由がこの時,初めてわかった。ただ,それまで漠然とだが,そんな気もしていた。
ヒロミの家は何代か続く会社を経営していた。当時,彼女の父親はその会社の社長で婿養子。彼は義父との約束である,引き継いだ会社を存続させることをおそらく人生も目標としていたと思う。一人娘のヒロミに対して,結婚相手は会社を継ぐこと,そして婿養子に入ることを望んでいたそうで,彼女も同意していた。だが,俺は,一人息子で,会社の業務とは全く無縁,しかも,さくらの夢でもあった明確にやりたい仕事がある。ヒロミの父がそんな俺の存在を快くは思っていなかった事は,あの時の会話で,ひしひしと感じていた。ただ,彼は約束を破るタイプには思えなかったが・・。 俺:「そうか,ヒロミに伝えるって約束は・・・,30年かかったわけだ・・・」
ヒロミ:「私ね・・・母にだけは圭ちゃんのこと話していたの・・・だから,電話があったら必ず教えてって・・・でもね,母は私より父を選んだの・・・父もね,圭ちゃんみたいに,やりたい仕事があったんだけど,母と出会って,夢をすべて捨てて結婚したの・・・だから,母は父に隠し事はできなかった・・・父はこれからやることは『全て俺の責任だから』って母に話したって・・・」
俺:「経営者として長年,手腕を振るっていた人だから…リスクは排除しておきたかったんだな・・・ただ、ヒロミのお父さんは『君の立場には心から同情するが,私の娘はさくらさんの代用じゃない!』って俺に言ったよ。あれは,本当に父親としてヒロミのことを思っての話だったと思うし,俺も否定できなかった。」 ヒロミ:「ただ,これだけはわかってほしいの!父は私だけだけなく他の人にも,本当に誠実で優しい人だったの・・・」
俺:「それは,あの時,話を聞いて分かっていたよ。俺に対しては,結構あたりが強かったけどね・・・」
ヒロミ:「でも,圭ちゃんとの約束は破った・・・」
俺:「まあ,ヒロミのお祖父ちゃんとの約束のほうが優先されるだろうね。俺の存在はリスクでしか無かったと思う・・・」 >>51
ありがとうございます!年度初めのため,仕事が山積みで書く時間がないことと,現在進行系の状況次第では,書ける内容も変わりそうです。。。
毎日,思い出しながら,ゆっくりと書きたいと思います。 ヒロミ:「あの時,私,かなり不安定になって精神科にかかっていたから,父は,圭ちゃんのこと,逆恨みしていたって言っていた・・・」
俺:「君のお父さんはヒロミを混乱させないでくれって話していたよ。大事な娘が悲しんでいるんだから当然だ。」
ヒロミ:「でもね・・・私はさくらの代わりは無理だとしても・・・少しでも圭ちゃんを支えたかった・・・助けたかった・・・やっぱり圭ちゃんが好きだったから・・・だから,圭ちゃんから連絡があったら・・・私は家を捨てる覚悟があったの・・・,母も気が付いていたと思うの・・・当然父もね・・・」
ヒロミは,号泣しながら,声を詰まらせながら,一言一言,ゆっくりと話し始めた。
ヒロミ:「だから・・・圭ちゃん・・・父を・・・許してほしい・・。父は・・生涯の中で・・こんなに大きな約束を破ったのは・・・最初で最後だって言ってた・・・父は・・許されない事だけど・・・ただの自己満足に聞こえるかもしれないけど・・・圭ちゃんに・・・心から謝りたいって・・・言ってた・・・」
俺:「もう気にしないでくれって伝えてほしい。それは俺の心からのお願いだって。今,俺には子供がいて,小さいながら会社を経営している。だから,あの時,あなたの大切な娘を想う気持ちと,会社を守りたかったという気持ちは,今の俺には十分に理解できる。」
ヒロミ:「ありがとう・・・伝える・・・ありがとう・・・ありがとう・・・」 ヒロミ:「私・・・この話を父から聞いた時・・・父への怒りっていうのもあったんだけどね・・・それより,圭ちゃんが私に連絡をくれたことが分かったら,嬉しかったの・・・」
俺:「そうか・・・でも,ヒロミは俺から連絡来ないから,俺のこと恨んでいたんじゃないのか?」
ヒロミ:「そんな事はないよ!圭ちゃんの心の整理がつかないと思っていたし,そんなことよりも,私・・最後にあんなこと圭ちゃんを試すような酷い事を言ったんだし・・・でも,だから・・ごめんなさい・・・ごめ・」
俺:「おい,何度も言うがそれは違うぞ!これ以上,ヒロミが謝ったら。本気で怒るぞ!俺はヒロミと今こうして話せることが本当に嬉しい!だから,頼むから謝るのはもうやめてくれ!」
ヒロミ:「・・・うん・・・ありがとう・・・」 俺:「俺のハートは太平洋より広くて,マリアナ海溝よりも深い。昔と変わらないよ!」
ヒロミ:「ウン,そうだね・・変わらない・・・」
俺:「おい,ここは同意するところじゃないだろ!突っ込むか,華麗に反論とか・・・スルーとかしてくれないと・・・恥ずかしくなるだろ!」
ヒロミ:「うんw・・昔と変わらないのは・・・スベルところだけね・・・」
俺:「今日の最初の電話から,何かおかしいと思っていたよ!妙にテンション高いしさ〜。」
ヒロミ:「もう,わかっていると思うけど・・ずっと不安だったの・・・連絡取ろうと思って・・・どうしていいかわからなくて・・・メッセンジャーに書き込む内容も一週間も何度も何度も考えて・・・」
俺:「ちょっと待て!メッセンジャーのコメントって・・・悩んだ結果があれかwww」
参考:メッセンジャーのコメント「圭ちゃん見〜つけた!お久しぶり,元カノ(笑のスタンプ)のヒロミだよ〜!また,お友達になってくれますか(ワクワクのスタンプ)」 ヒロミ:「最初にね,父とのやりとか,長い文章を書いたんだけど・・・手紙にしようかなとも思っていたんだけどね・・・結局,圭ちゃんが昔のままなら・・・怒っていないなら・・・昔のノリで何とか大丈夫かな〜って思ってね・・・あと,若干,情緒不安定になっておりまして・・・ごめんなさい・・・」
俺:「だから,もう謝るな!!!あとな〜、俺にも少しは喋らせろ!聞き上手のヒロミは何処に行ったんだよ!
ヒロミ:「一応・・・ここにいます・・・」
俺:「あと,もう爆弾ネタはないよな!衝撃ネタが多すぎだよ!しかも30年越しのネタばっかだぜ!!俺、マジで心臓がもたないよ!」
ヒロミ:「大きいネタは・・・もう無いよ・・・w」
俺:「小さいのはまだあるのか・・・勘弁してくれよ・・・小さいのはさくらのおっぱいだけで十分だ!」
ヒロミ:「さくら,きっと怒っているよw また,正座モードで怒られるよw」
俺:「できれば化けて出てきてもらって,一緒に話をしたいところだ!」 ヒロミ:「確かに,私もそう思うよ!さくらだったら,怖くないね!」
俺:「おい!それより,いつまでビデオをオフってるんだ!顔見せろよ!!」
ヒロミ:「ちょっと待って!化粧ぐちゃぐちゃ!」
俺:「スッピンでいいぞ!お肌年齢見てやるから!あとな〜もう泣くなよ!さくらとの約束覚えているだろう!『俺たち二人がさくらの想い出話をする時は泣かないこと』って!さくらに正座プラス丁寧語モードで叱られるぞ!」
ヒロミ:「了解ですww でも,私は正座モードで叱られたことは無いからねwww」
俺:「あと,繰り返すが,もう謝るのは禁止な!次に謝ったら,ヒロミのEcupおっぱいアップしてもらうぞ」
ヒロミ:「OKです!!謝ってばっかりで,ごめんなさい〜www 許してwww」
俺:「同意するな!謝るな!!あと,マジでパイは見せないでくれよな〜俺,本当に困っちゃうぞ!まったく・・・切り返しが鋭いのは変わってないなww」 しばらく雑談した後,ヒロミはビデオをオンにした。
俺:「なあ,やっぱりヒロミは若く見えるな!深夜のちょっと怪しい通販番組に出ている『さ〜て,この人は何歳でしょうか?』『答えは何と!54歳です』『わ〜信じられません!お肌スベスベ!どう見ても30代ですね!!』って感じだよ!」
ヒロミ:「wwwwちょっとだけ嬉しいけど。怪しいって言うのはどうかなw でも,圭ちゃんも若いよ!さっき白髪を染めたら40代って言ったけど,染めなくても大丈夫みたいw」
俺:「なんだろうw・・・なんか,傷を舐めあっているような悲壮感を感じるんだがww・・・年は取りたくないなw」
ヒロミ:「さくらは21歳のままなのにね・・・」
俺:「ところで今,使っている化粧品は何だ? 『定価20.000円のところ,今から30分限定で何と!9,800円!!さらに,何と!送料込で!さらに何と!もう一個つけます!』って感じの商品かなw」
ヒロミ:「そこもwwwもう掘り下げなくてよろしいwww」 俺:「しかし,さっきまではヒロミが一方的に話し続けていたけど,すごい記憶力だな!俺なんて会話の内容なんか,途切れ途切れだよ。」
ヒロミ:「だって,私は手元にさくらの写真もあるし,日記帳はいつも長めに書いていたし,あと,さっき話したけどね,圭ちゃんへ最初の連絡するために,一度文章にしていますよ!だから当然!」
俺:「あ!そうか!!俺さ,さくらの遺書に書いてあったとおりに,さくらの写真とか手紙とか全部燃やしたんだけど,スケジュール帳まで燃やしちゃったんだよね!だってさ,あの2年分の手帳には,さくらの事,日記代わりにいっぱい書いていたからね・・・。だから,デートの順番とかいつどこへ行ったかとか,時系列もぐちゃぐちゃだよ。」
ヒロミ:「私の日記には,大体書いているから,教えてあげるよ」 また,酉入れ忘れた。
>>59 は俺ね!
毎日5分ずつ,書こうと思っていたけど,特に30年前のこと大分思い出してきたから,長くなりそうだ・・・ 俺:「ところでさ〜、ヒロミが今日メールで送って来たビデオの話なんだけど,あのアレンジ,面白いね!ピアノを弾いていたのが,ヒロミの娘なのか?」
ヒロミ:「そうだよ!雰囲気が私よりもさくらに似ているでしょう!でも,性格は私とそっくりってみんな言うよ」
ヒロミとさくらは,実際,ふりふたつとまではいかないが顔立ちが似ていて,中学校時代は友人たちに二卵性双生児って言われていたそうだ。
俺:「そうなのか,ヒロミの娘と話をするのが怖くなったよw・・それにしても,ヒロミは一人で楽器をいくつ使っていたんだよ!チェロにクラシックギターとフルートとバイオリンか・・後なんだっけな・・・ほんと,ヒロミは多才だよな!」
ヒロミ:「チェロを弾くの20年ぶりだから練習したのよ!www そうだ!さすがに家にはチェンバロは無いけどね〜www圭ちゃんの”チェンバロ事件”を思い出しちゃったよwww 圭ちゃんのあの一言でさくらと私が大惨事だったよねwww」
俺:「え・・・あれか!おいおい,事件ってほどのものじゃないだろ!勘弁してくれよw」
俺は,ヒロミが昔通りの明るさで、話してくれるようになって安心し嬉しく思っていた。 俺:「しかし、バッハのアリオーソを送ってくるとは思わなかったよ!」
ヒロミ:「だって,ラルゴはさくらの一番好きな曲だったし,圭ちゃんもこの曲には想い出がいっぱいあるでしょう!ちゃんと知ってるよ!」
俺:「じつはさ,実はあれが今日一番の衝撃ネタ!精神崩壊して大泣き状態になったんだからな!」
ヒロミ:「え!」
俺:「ヒロミにさ〜散々『泣くな』って偉そうに言っていたから,ちゃんと正直に話すけど,俺さ〜多分,それまで一生分流した涙を,10分で流したと思うよ! 俺ね,ヒロミの送ってくれたmpegを携帯にダウンロードしてからイヤホンで聞いたらさ,これまで感じたことが無いような感覚に陥っちゃてね,大声出して泣きたくなっちゃってさ・・ヤバいと思って,部下に気付かれないようにトイレの個室に入ったらね〜,一気に爆発しちゃって・・・立っていられなくなってね,しゃがみ込んで声コロして泣いちゃってさww・・・」
ヒロミ:「圭ちゃん・・・」
俺:「俺さ,あんな状態になるの初めてでさ〜,さくらがタヒんだ時でも、そこまでならなかったのにね!しょうがないから,何とか涙止めるためにね,自分なりにこの状況を客観的に見ようとしたらね・・・なんと50過ぎのおっさんが,トイレでしゃがみこんで,感傷にひたって,嗚咽しているんだぜ・・・可笑しいだろ・・・でも,それに気づいてもね〜全然止まらないんだよな〜w・・」 俺は,涙を流す事は殆どない。泣かないということが俺の価値観の一つだからだ。
俺は,父親が亡くなって,しばらくはかなり泣き虫な子供だった。俺の母は俺が泣くたびに「男は涙を出すものじゃない!特に人前では涙をながすのは恥!じっとこらえなさい!」って,何度も強く俺を叱った。戦前生まれの人ってそういう価値観の人が多いと思うんだが,母は父親代わりをしなくてはならない使命感もあったせいか,より厳しく言っていたと思う。だから,俺は小学校に入ってから少なくとも人前で涙は見せたことがない。まあ,これが本当に正しいことどうかは分からないが,幼少期に培われた価値観はなかなか変える事はできない。
これは,さくらとヒロミに話したことがある。さくらが俺にたいして「葬式に来るな」「墓参りに来るな」って遺言を残した理由の一つが,俺が人前で涙を見せるような場面を作りたくなかったためだったと俺は思っている。
ヒロミ:「圭ちゃんがそんなに泣くなんて正直びっくりだけど,それ・・・全然おかしなことじゃないと思うよ!」
俺;「俺さ〜,なんで泣いてるのか考えていたら〜ひょっとしたら,さくらの無念さだとか,哀れみだとか,同情とかじゃなくて・・・さくらを失った自分に対する涙なのかな〜って考えてね・・・それは自分本位で利己的で独善的で身勝手なものでしか無いからさ・・・正直,自分が嫌になってね・・・」 ガンダムのエンディングの
男は涙を〜♪見せぬもの〜♪見せぬもの〜♪
ということか ヒロミ:「圭ちゃん・・どうしてそう思うの?理由を聞かせて!」
俺:「だってさ・・・上手く言えないけど・・・さくらがタヒんでから,俺はこれまでずっとね,さくらが生きていたら,どうなっていたかって時々だけど・・・まあ妄想をずいぶんとしていたんだけどね・・・結婚して,多分共働きで,子供がいて,さくらはいつも笑っていて・・・でもさ,妄想の内容はよく考えてみると,俺自身の幸せであってさ・・・利己的なものだって気がついたんだよね・・・あいつは,タヒね間際まで,俺のことばかり考えていてくれたのにね・・・だから,情けなくってさ・・・こんな事,ヒロミ以外には話せないな〜w」
ヒロミ:「自分が幸せになろうという気持ちは決しておかしくないし,さくらだって病気が分かる前は,圭ちゃんと結婚して圭ちゃんの子供が欲しいって話していたじゃない!さくらの夢と同じじゃない!そんな事,さくらが聞いたら悲しむよ!」 PC画面のさくらは,あの笑顔で俺を見ていた。
俺:「俺はさくらのこの笑顔をが見られれば,何でもできると思っていたけどな・・・ヒロミはさっき,『俺の事,変わっていない』って話していたけど,俺は変わったよ!俺は結局,さくらが望んでいたような男になっていないと思うんだ。自分のやるべき事はわかっているんだが,いろんなしがらみだとかで妥協してね・・・」
ヒロミ:「圭ちゃんの今やっている仕事だとか,これまでやったことだとか,しっかりと夢を叶えていると思うし,私は素晴らしいと思うよ!」
俺:「いや,まだ全然だよ,何も出来ていない・・・真面目にそう思う。俺さ〜無宗教だけど,最後は善人でタヒにたいんだよね。もしさ,ほんとにタヒ後の世界があって,天国があるんなら,さくらは間違いなく天国にいると思うだ。まあ,少しでも可能性があるんなら,さくらにまた会いたいんだよ。だから,天国に行けるため,日々偽善を繰り返しているけど・・・あっちでさくらに胸を張って会える状況じゃないよ。」
ヒロミ:「そんなことはないよ!自己評価が低すぎると思う。私,20年くらい前からネットストーカーしていたの。
圭ちゃんの名前で検索かけて記事とか,ブログだとか読んでいたのよ!だから,よくわかるの!圭ちゃんはひたむきなところとか,志を持っているところだとか,昔と変わっていないと思う!」
俺:『・・・俺もヒロミをネットで調べた事,何回かあるよ・・・タラレバの話をしてもしょうがないけど,あの時,携帯があったら,俺たちもどうなっていたか分からないな・・・」 ヒロミ:「さっきの圭ちゃんが私の家に電話をくれた話だけどね,あれについて30年越しのクレームがあるんだよねww,なんであの時,代打の女の子に電話させて・・・までは良かったけど,バカ正直に『(圭母校)大学の(圭名字)圭”子”ですが・・』なんて言わせたのよ!あれ,お母さんが電話受けたから,バレバレだったんだよっw」
俺:「あれさ,俺なりに考えたんだよw俺が,電話しても取次いでもらえない可能があると思ってね,だから,後輩の女の子にお願いしてさ・・・もし,ヒロミがいなくても,あの名前なら,俺から電話があったって伝わると思ってね・・・でもさ,その後,後輩の顔がみるみる変わってさ・・・『すみません!少々,お待ち下さい」って言った後に受話器を手で塞いで『(圭名字)さん!マズイです!お父さんが,あなたの隣りにいる(圭母校)大学の(圭名字)圭くんに代わってくれって言ってます!」って泣きそうに言ってさw,その後はご存知通りだよw」
ヒロミ:「あれね〜w,父はなんて姑息なことをする男だと思ったらしいよ。まあ,逆恨みしていたから・・どうしようもないけどねw,火に油だったみたいw,でも,圭ちゃんから電話があっても,取り次がなかったとも言っていたけどねww,せめて高校のクラスメートとかにして,適当な架空の名前にしてくれていたら,私につながったと思うに・・・」 俺:「まあ,過ぎたことだよ・・・それにしても,大学時代にもしなかったような青臭い話をいっぱいしてしまったなwww
あと,ヒロミは俺の事は変わってないって言っていたけど,成長していないだけなんよね。ただ,さくらやヒロミが良いって話してくれていた部分は悪い方向に変わったけどさ・・・それに,今はいろいろとあって燃え尽き症候群気味だよ・・・マジでね」
ヒロミ:「・・・・本当は話すつもりじゃなかったんだけど,今の圭ちゃんの状態聞いたら,やっぱり,話さなくちゃならなくなったかな・・・」
俺:「おいおい!何だよww」
俺は笑いながら答えたが,ヒロミの表情から笑顔が消え,真剣な眼差しで語りかけてきた。
ヒロミ:「うん・・・さっきね,爆弾ネタはもう無いって話したけど,実はまだあるんだよ・・・」
俺:「何の話?」
ヒロミ:「私宛のさくらの遺書・・・」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています