所長「いらっしゃあい。こちら自殺事務所ですよお」
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所長「──さあ、次の人いらっしゃーい」
依頼人A「……こんにちは。あの……所長さん、ですよね?」
所長「そうそう、ですよぉ。僕が所長で、君がクライアントーつまりいらいにーん」
依頼人A「…………」
所長「……反応ないとつまらないなあ。で、何の用なんです?あ、ここ自殺事務所だから自殺したいのかあ!アハハ!」ケラケラ 所長「──で、どんな風に死にたいの?首吊り飛び降り飛び込み薬漬けなあんでもあるよぉ?」
依頼人A「……睡眠薬で、死にたいです」
所長「睡眠薬!ありきたりだねえ。僕としては、雪山に言ってウォッカでもスピリッツでもイッキしてから眠ったほうが、楽に死ねると思うけど?」
依頼人A「それでも、睡眠薬が良いんです」
所長「睡眠薬で死ぬってめっちゃきついんだよ?最近は死ねないようになってるし。致死量に至るまでどんだけの薬飲むのと持ってんの。きっついよ〜?Mなの?Mなの?」 依頼人A「……」
所長「……ごめんね、気を悪くした?」
依頼人A「俺Mじゃないです」
所長「あ、そう」
依頼人A「でも、睡眠薬で死にたいんです。どうしても」
所長「理由は?」
依頼人A「……は?」
所長「だから、そんなに睡眠薬にこだわる理由さ」
依頼人A「…………好きな」
所長「んー?」
依頼人A「好きなアイドルの女の子が、睡眠薬で自殺を図ったので」
所長「『僕もその好きなアイドルと同じ手口で死のうと思ったんですー』ってこと?」
所長「はあー凄いねえ」 所長「死ぬ理由もあれでしょ?そのアイドルが死んだから後追いってわけ?」
依頼人A「悪いですか」
所長「悪かないよ?ただ、凄いなあって思ってさ」
依頼人A「…………」
所長「そんなこわーい目をしないでよー」
所長「んーそうだねえ、睡眠薬で死ぬ方法ねえ」 所長「ちょーっとまってねえ」
依頼人A「待てません。俺は一刻も早く死にたいんです。アイドルちゃんが待ってる」
所長「そんなに急かさないの。急かしすぎると早漏だって笑われるよお?」
依頼人A「…………」
所長「だから怖いって」
依頼人A「僕は早漏じゃないです」
所長「あ、わざわざ回答ありがとね。うん」 所長「んーやっぱりさあ、睡眠薬はお勧めしたくないんだよなあ」
依頼人A「どうしてですか」
所長「どんだけ飲むと思ってんの。3ケタ越すのよ?
しかもただ睡眠薬を飲むだけじゃなくて、大量に睡眠薬を服用して寝たとしても、寝ているうちに吐いている場合があるから吐き止めの薬も飲まないといけないし、最低8時間以上は時間がないとこれ出来ないし。
死ねなかった時のことを考えるとめんどくさいことこの上ないね」 所長「それでもいいの?」
依頼人A「はい」
所長「強いねえ。僕なら死ぬの止めてるわ」
依頼人A「俺のアイドルちゃんに対する愛はこれぐらいでは揺らぎませんよ」
所長「うわーすごい」 所長「あー……オーソドックスなのはジフェンヒドラミン塩酸系のお薬かなあ。睡眠導入剤とか風邪薬に入っているから、薬局で成分を探してね」
依頼人A「ありがとうございます」
所長「致死量はええと確か……1キロあたり40mgだから、それかける自分の体重分飲むんだよ。吐き気止めも忘れずに。ああ、効果を上げたいならアルコール呑むこと」
依頼人A「早速薬をビールで呑みます!」
所長「元気になったねぇ」 所長「だけどこれさーあ、致死量以上のんでも死ねない場合もあるのよねえ。死ねなかったら、きっつーい胃洗浄と、一生人工透析のお世話になっちゃうけどそれでもいーの?」
依頼人A「別にどうってことはないです。ようはちゃんと死ねばいいんでしょう?」
所長「まーあそうだけどっさあ……まあいいや。来世素敵な人生なるといいねえ」
依頼人A「アイドルちゃんと幸せになります!待っててアイドルちゃん!」
所長「あーお金払っ!……行っちゃった」 秘書「所長、あの人お金払ってませんけど」
所長「やっけに興奮してたからねえー。ちょいちょいこんな人いるから僕困っちゃう。このままじゃ生活できないっ!」
秘書「私の給料も2ヶ月分溜まってます」
所長「…………前払い式にしよっか」 6年前に書いてたSSをコピペし直しただけ
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