勇者「今日の飯は人肉で行くか……」 [無断転載禁止]©2ch.net

**名も無き被検体774号+＠無断転載は禁止** · 2017/06/15(木) 18:43:35.40

VIPがすぐ落ちてSS向いてないのでVIP+投下

戦士「おい、勇者じゃないか！？」

勇者「ああ、お前か」

戦士「1年ぶりだな！？どこで何をしてた！」

勇者「ちょうどよかった、飯が無くてな」ザシュ

戦士「うう……」バタッ

勇者「ｸﾁｬｸﾁｬ」

勇者「安心しろ、お前の肉は旨い」

**名も無き被検体774号+＠無断転載は禁止** · 2017/06/15(木) 18:44:13.05

勇者「もう、勇者も糞もねぇんだよ……」

魔王【こっち側へ来い】

勇者「くっそたれ！俺を呼ぶんじゃねぇ！」

少年「あの～、どうかしましたか」

勇者「なんでもねぇよ、死にたくなければあっちへ行け」

勇者「腹が減って仕方ねぇよ」

少年「そんなにお腹空いてるの？」

勇者「事情があってな、てめぇの肉食われたくなけりゃ、なんか食い物もって来るんだな」

少年「それって、人の死体じゃ……」

勇者「そうだよ、知り合いの死体だよ、殺したのは俺だし」

少年「うわぁぁぁ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

勇者「くっそ、あいつ食べときゃよかったかな」

異端尋問官「見つけました！人の理に背く元勇者に神の慈悲を！」

勇者「一晩やってけそうだな」ｼﾞｭﾙﾘ

勇者「俺はもう人間じゃねぇんだ！」ｻﾞｼｭｻﾞｼｭｼｭﾊﾞﾝｯ

異端尋問兵「うがああああ」ﾌﾞｼｬｱｱｱ

勇者「なんせ、腹が減ってな、お前らみたいな奴に流されて勇者になんかなるもんだから、こんな体になっちまった」

異端尋問官「はなせっ！」

勇者「踊り食いって知ってるか？」

異端尋問官「やめろおおおおお！」

異端尋問官「助けてくれっ！なんでもする」

勇者「じゃあ、飯もってこいよ」

異端尋問官「わかった、離してくれ……」

勇者「だめだぁ～、部下にでもやらせとけよ」

異端尋問官「はっはい」

**名も無き被検体774号+＠無断転載は禁止** · 2017/06/15(木) 18:44:42.52

勇者「ムチャムチャｸﾁｬｸﾁｬ」

異端尋問官「どんだけ食べるんです？私の部下も食べたんでしょう？」

勇者「満腹にならねぇんだよ」

異端尋問官「呪いの類でしょうか？」

勇者「まぁな、魔王に面白がってつけられた、周りの仲間は誰も助けてくれなかった……」

勇者「気づいたんだ、世の中食われる側と食う側だけなんだってな」

勇者「周りから見れば化け物かもしれねぇが、お前らだって内に秘めてるものは俺と一緒なんだよ」ｻﾞｼｭ

異端尋問兵「ううぁぁぁ……」ﾊﾞﾀｯ

異端尋問官「ああ！なんでそんなことを！？」

勇者「世の中こういうことだ、少しでも安心したり、他人を信用するとこうなっちまうのさ」

勇者「安心しろちゃんと食うから」

異端尋問官「なんで、人々を救ったあなたがこんなに身を落としてるのですか？」

勇者「最初は死を選んださ、でもな、腹が減って仕方が無くて気が付いたら、そこらへんのネズミを手で掴み食っていた」

勇者「腹が減ると、食いたくなる、食うのは抑えられないんだ」

勇者「それにこんな俺を助けてくれるやつもいないしな」

勇者「初めて人肉を食った時は崖から飛び降りた」

勇者「でもな、死ねないんだ、呪いのせいで体が強くなりすぎてる」

勇者「死ぬ方法はそれ以来探してないけどな」

勇者「もうなんかどうでもよくなっちまったし、飛び降りた時後悔したからな」

勇者「それと怒りだ、お前らみたいな勇者に頼るだけの奴に対する」

魔王【お前はもう魔族だ……こっちへ来い】

勇者「くっそ、食事も楽しめねぇのか」

異端尋問官「なにか聞こえるんですか？」

勇者「魔王が呼んでいる……」

魔王【異端尋問官を殺せ、人を食え】

勇者「ぁぁぁ！言われなくてもそうしてるさ……」

異端尋問官「ちょっと待ってください！？約束が！」

勇者「約束……そうだな、約束は守らないといけない」

異端尋問官(この人にとって約束とは特別な事なのか？)

**名も無き被検体774号+＠無断転載は禁止** · 2017/06/15(木) 18:51:38.84

魔王【お前はこっち側へ来るしかない、飢餓の祝福に適合したお前なら魔界で我輩の直属になれる】

勇者「直属か……悪くないな、でもそこまでは落ちたくない……」

異端尋問官「誰と話してるんですか？」

勇者「もう、お前はどっか行ってろ」

異端尋問官「……」

異端尋問官(この人は確かに悪人だが、呪いのせいなのは確かだ、何か助けになれば……)

魔王【しょうがない、もう一つ祝福を与えるとしよう】

勇者「やめろ、やめてくれ！お願いだから！」

魔王【嫌悪の祝福……ｸｸｸ】

異端尋問官「……！」

異端尋問官(何を考えたんだ、こいつは死ぬべき存在だ)

異端尋問官「拘束魔法！」

勇者「！？」

少年「さっきの最低なやつだ！殺してしまえ！」

村人「俺らもこいつを殺す為なら戦うぞ」

ﾜﾗﾜﾗﾜﾗﾜﾗ

勇者(全ての人間に嫌われる呪い……といったところか)

**名も無き被検体774号+＠無断転載は禁止** · 2017/06/15(木) 19:01:30.59

勇者「くそっ」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

異端尋問官「逃げただと！？拘束呪文が効かないのか」

数ヵ月後・・・

勇者「初対面の奴らにも嫌われて……もう俺には人を食う道しかない」

勇者「呪いが増えてどんどん俺が邪悪になっていく……」

魔王【お前の為に編み出した祝福を試すとするか……】

勇者「もう、やめてくれ……」

魔王【服従の祝福】

勇者「やめてくれぇぇぇぇぇ！」

勇者「ぁ・・・ぁ・・・」

魔王【魔界に来るか？】

勇者「俺行く……魔界に行って魔王様の部下になります」

魔王【だいぶ精神が弱ってたようだな】

勇者「すがすがしいなぁ……」

魔界

魔王「グールキングの名を与える」

グールキング(勇者)「人間への憎しみと魔王様への忠誠を誓います」

魔王「ついに手に入れた……最初に見た時からお前を手に入れたかった」

グールキング(勇者)「もう、壊れちゃったから好きにしてください」

魔王「なに、すぐに魔界の一員として作り直してあげよう」