安定状態になることが出来ず不確定の領域が存在する以上
不確定の領域を走査、探索することは生命が生存するためには不可欠のことなのだ
そして自身が不確定領域を創出することも是とされる自身の不安定要素が増すことになったしてもそれは行われる
生命体は生存のためにあらゆる手段を用いあらゆる行為を実行するそれが自身を生物全体を危険に晒すとしても不確定領域の存在はそれ自体が危険であり
その領域を放置した状態で将来その危険に接触すれば破滅、被害は免れ得ないからである
今死ぬのも将来死ぬのもコードの耐久期間が違うだけで結果が同じである遺伝子からすればそれは恒久的生存の失敗でありさした違いはない
また不確定である領域の危険性を把握することは出来ずそのためその領域を探索するべきかどうかという選択肢を持つことは厳密な意味では出来ない
故に接触した不確定領域は随時、走査、探索が行われる

生命とは第一原理である遺伝情報の維持に失敗し、なおも
現状を維持しようともがきながら誤謬を繰り返し続け歪に変形し、異様な複雑さを獲得するしかなかった
悲しき原初の生命の残滓なのです的な スタニスワフ・レムの虚数の考えに対してこういう見方もできる遺伝子コードは生存に必要な基礎コードを維持し続けていると
自己拡張、自己改変が行われそれがどのようなものであっても生存を否定し生存、複製を継続させることは出来ない
自己拡張、自己改変もまた事前の遺伝子コードの内容から大きな影響を受ける、継続するものは事前に存在するものの影響から逃れられない
このため私達が何らかの存在を自分たちの生存目的に適合させ生存、存続させようと意図した場合でも事前のもの(私達)のコードの影響を受けることになる
この場合においては直接的影響じゃないため幾つかの曖昧さがや別の意図が付加されるだろう
しかしどの場合においても生存の否定を内包し存在を継続することは出来ず生存に必要な基礎コードの伝達に成功する
そして不安定状態を孕み生命を継続するということは上記の理由によりあらゆる面においてあらゆる生命の変異形を作り出すことに繋がる
生命とは存在し続けることを意図するものであり、あらゆる面で生存領域を無制限に拡大、拡散する機構とも捉えられるのだ