死なせてしまった女に贖罪をさせてくれ [無断転載禁止]©2ch.net
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スレが立ったら、淡々と書いていく。
おかしなところがあったら、教えてくれ。 まず、俺が高校生だった頃まで話は遡る。俺の名前はたかおという事にしておいて欲しい。 今回の話と直接関係ないので、特に家庭の事は語らないが、酷い家庭環境で育った俺は、小中学生と、暗く孤独な生活を送っていた。友達と呼べる奴はいなく、思い出と呼べる楽しげなものなど皆無だった。 >>3
感動はない。ただのワガママだ。読まないでもいい、書かせくれ。 誰かと馴れ合うことを良しとせず、心も荒んでいたので、ケンカばかりしていたし、また、ケンカが滅法強かった。 ケンカが強い、と言うと、語弊があるかも知れない。友達がいなかったので、誰かに嫌われたり、仲間外れにされることが怖くなかったし、いつ死んでも一向に構わないという気持ちでいたのでケンカに負けるという定義がなかったというのが本当のところかもしれない。 ただ、辺り構わずケンカを吹っかけるほど情熱があるわけでもなし、関わらなければ噛みつかないというスタンスだったので、周りから距離を取られていたし、それがまた有り難くもあった。 今にして思えば、それは心の未発達からくる、病の一種だったのかも知れない。 というのも、中学3年のとき、俺はこのままでは駄目だとはっきりと自覚していたからだ。このままではいけない。やり直したい。友達が欲しい。人と話したい。誰かに認められたい。みんなの注目を集めたい。 何だか、一気に、自我が芽生えて、強烈に欲求が次々に産まれてきた。幸い高校に上がるとき、俺は家庭の事情からくる、ある呪縛から自由になることを約束されていた。自分の「したい」が許される状況を前に、様々な未来を夢想しては愉しんだ。 高校進学は色んな意味で区切りとなった。俺は、同じ中学から3人しか行かない、新設校を選んで進学をした。 全てをリセットして新たなスタートを切るべく、俺の成績からしたら遥かにレベルが落ちる高校を、俺を知る人間が最も少ないという理由で選んで進学したのだ。いわゆる高校デビューという奴を目論んでいた。 高校に上がってからは、人が変わったかのように明るく振る舞った。すすんで冗談やエロトークをしたり、部活を一生懸命やったり、ケンカは一切せず、誰かを威嚇したり怒ったりしない、つまりは小中学生の頃と正反対の人間を目指していた。 今まで笑わなかった時間を取り戻すかのように、たくさん笑って、いつもニコニコしてるね、と色んな人から言っても貰っていた。 当然、同じ中学の奴らは、あいつは中学の時、あんな奴じゃなかった、なんて影口をたたいたが、狂犬だった頃の目で睨みを効かせたらすぐに何も言わなくなったし、誰も俺が本当は暗い人間だという事を信じたりはしなかった。 自然、俺の周りに人が集まってくるようになった。小中学生だった頃は他人に距離を置かれていたので気づかなかったが、俺がイケメンである事こを周りに教えてもらったのもこの頃だ。入学して半年もすると、数人の女の子から告白も受けた。 学校のレベルを下げたこともあり、成績もトップクラスであった。足が速かったから、という理由で入った陸上部では敵無しで、一年の頃から、地方大会では優勝するレベルであった。 けれども、小中学生と友達のいなかった自分は、表面上は誰とでも仲良くしつつも、本当の心は誰にも開けないでいた。学校でも有名な二枚目、スポーツも出来て成績も良い。 そんな自分を作り上げるしか自分のアイデンティティを保てず、いつしか、本当は下らない人間だという事がバレる日が来ることを怖れるようになった。 そんな、俺の内面を見抜いたやつが一人だけいた。そいつの名は、Kとしておく。 結果、Kとは高校3年間同じクラスで親友になるやつでもある。 Kは、何というか、俺とは反対の人間だった。特に努力をしなくても、自然と人が寄ってくる天然物のイケメンだった。 ぐいぐい、人の先頭に立ったり、話題の中心になろうとしなくても、みんながKの事を認めていたし、誰隔てなく優しい男だった。誰もKの悪口を言わなかったし、Kも誰の悪口も言わなかった。 俺はどちらかといえば、あまり、人に心を開くことが苦手だったし、その割には、どうですか、このハイスペックな俺、みたいな押し付けがましいところがあり、人の嫉妬を買うことも、ままあった。 そうしないと、下らない人間だという事がバレてしまうという強迫観念みたいなものに縛られていたのだと、今にしてみれば思う。 評して言えば、いつも目立っていて、話題の中心になりたがり、ただそれが行き過ぎて相手を疲れさす、そんな感じの人間だったのだと思う。 その、他人に優しいKは、俺にだけは何故かいやらしい一面を見せた。 >>38
長いんだ。すまない。本来はチラシの裏にでも書くべきものだと思う。 誰にも一目置かれる俺に対して
「本当はおまえ、そんな奴じゃないんだろ?」
と話かけてきた。
つまりは、高校デビューなんだろ?
もちろん、他に誰もいない二人きりの時にだ。 普段、誰にも優しく、どちらかといえばドジで愛嬌のあるKにそう言われて、呼吸が止まりそうなくらい驚いたのを覚えている。生まれて初めての
冷や汗を覚えた俺は、軽く否定しながらも、こいつとは仲良くならないとヤバイ、と直感的に悟った。 俺の秘密に気付いたKとはとにかく仲良くならなければ、と何かと気を使いながら、ともあれ、親友アピールをして表面を取り繕った。 幸い、校内一二を争うイケメン同士が仲良くつるんでいるという絵面を、周りも望んでるふしもあり、Kもそれに乗っかる形で俺とつるむようになった。Kは俺以外には外面の良い男だった。 そんな風にして、俺とKは両雄並び立つかのごとく、親友のように振る舞っていた。誰から見ても、そう見えていたと思う。 高校2年の時、俺は恋をした。初恋だった。名前はあかねとしておく。
あかねとは2年の時に同じクラスになった。 髪型はショートカットで黒ぶちの眼鏡をかけていた。色白で笑顔の可愛い愛嬌のある顔立ちだった。たくさん喋る子ではないけれど、たまに喋ることがいつも笑いを誘い、同性の友達が多い
タイプだった。 彼女はクラスのなかでも特に男子の人気が高いわけでもなく、美人か?と問われれば、愛嬌はあるよね、という答えが返ってくる、そんな感じの子だった。 俺があかねを好きになったきっかけは他愛も無い事だった。 俺の高校はランクの低い進学校にありがちな、校則が厳しく、授業も厳しく、成績が悪いと名指しで授業中に罵倒されるような軍隊のような学校だった。当然、授業中に寝ていたりなんて奴などいないし、余所見することさえ許されなかった。 今では多分あり得ない事だろうけれども、入学するときに
「我が校の方針に納得、もしくは、従えない時は自主退学いたします」
といった感じの誓約書にサインをさせられた記憶がある。 ともあれ、そんな学校だったから、教師絶対、授業絶対、課題絶対、嫌なら退学、実際退学させられた(表向きは自主退学)奴も数人いた。 そんな学校における、ある英語の授業の事だった。あかねが教師に怒鳴られた。授業中、堂々と窓の外を眺めていたのを咎められたのだ。教師はもっていた教科書を教卓に叩きつけ、顔を真っ赤にして怒鳴りつけた。 「あかね!おまえは授業中に何を見とるか!」
クラス中に緊張が走った。今では考えられないかも知れないが、当時、平気で授業中余所見をしていたとかそんな下らない理由で教師が生徒を殴ることがままあったからだ。もちろん、男女関係無しだ。 けれども、あかねは臆するでもなく、飄々とした声で
「カラスの数…」
「なにぃ?」と教師。
「校庭のカラスの数を数えてた。」
と言ってのけた。 そのあまりのすっとぼけた声と、思いもよらない返答にクラスは大爆笑した。普段のあかねのキャラも手伝ったのかも知れない。教師も呆気に取られたあと、一緒に苦笑いするしかなかった。 俺はこの時、雷にあたったがごとく、衝撃をうけた。Kもあかねもそうだが、こいつらは俺のように必死にならなくても人を惹きつける。 滲みでる人の良さで同性からも異性からも愛されるK。
すっとぼけた天然キャラで同性からも好かれ、教師からもなんとなく愛されているあかね。 そう、このふたりに共通するのは、愛される存在、ということだった。それは高校でやり直し、それなりの立ち位置を得たかに思えた俺に、圧倒的に足りないものだ。話題の中心にいて、多くの友達に囲まれていると思っていながら、ふと感じる孤独の正体がこれなのだ。 嫉妬、それから、俺は、所詮作りものの似非であるというおのれに対する失望。本物に対するあこがれ。 Kという同性に対しては、嫉妬は、尊敬に形を変えていったが、あかねという異性に対しては、やがて恋愛感情という形に変わっていった。俺は強烈にあかねを好きになっていた。 色々なことに気づけると、
力の抜き方を覚えるよね
僕は25のときに抜き方を覚えて
楽になったよ 幼い頃に人間関係を学んでこなかった俺に、突然芽生えた恋心。俺は気持ちを制御する術を全く知らなかった。 1日たてば、好きという気持ちに利息がつく。日がたてば立つほどに好きになる。あかねに対する新しい情報は、その内容の如何に関わらず、好きな気持ちの肥やしになった。 重ねて話す。俺はあかねが好きだった。なんとしても告白して、受け入れてもらいたかった。失敗など許されなかったし、考えるだけで死にそうだった。 勉強も部活もより一層磨きをかけたし、当時ブームだったロックバンドを組んで、ライブハウスで演奏するほど短期間でうでをあげ、固定のファンも数人できた。優等生キャラにちょっと不良のテイストを混ぜた。女の子に受けそうなものは、ひとつでも多く必要だと考えていた。 自信を少しずつつけた俺は、俺があかねを好きで付き合いたいと思っていることを親友のKに相談した。 俺があかねの事を好きなことは、Kはとっくに気付いていた。というより、クラスの誰もがうすうす感づいていた、いわば、公然の秘密であったらしい。あとは、いつ告白するのか、早く告白しちゃえばいいのにね〜、とそんな感じだったらしい。 Kも、早く告白しちゃえよ、と言ってくれたし、俺も、後は勇気を出して告白するだけだ、それさえすませばあかねと付き合えるんだ、そう信じて疑わなかった。 1はもともと
生真面目な性分なのかもね
猪突猛進型というか そして、告白した。
電話をかけて、好きだったことを告げ、付き合って欲しい願望を伝えた。
あかねは一週間返事を待って欲しいといった。 優しさや思いやり、といった相対化が難しいことよりも、履歴書に書けるような具体的な項目を掻き集めることが自分を良く見せる唯一だと信じていた。一番良く見せられたものだけが、自由に好きなものを手に入れられるのだと信じていた。 普通に成長していればおそらくこのような感覚は持ち合わせないだろう。けれども、俺は人知れず「普通」に追いつかなければならなかった。 手探りで仮説をたて実践をして、反証をして、学問をするかのようにひとの感情や距離感を学ぶしかなかった。 俺はKに、何がいけなかったのか、何故振られたのか、あかねにそれとなく聴いてきて欲しいと頼んだ。駄目なところがあったら努力して何でも直すつもりだった。けれどもKからは意外な言葉が返ってきた。 「もう、あきらめろよ。おまえのこと好きな娘もいたろ?あかねよりずっと可愛いし、みんな、なんであの娘じゃなくてあかねなんだろって不思議がってたぜ?俺もそう思うし、あかねはやめた方がいい。」 何故だ?
告白する前はあれだけ応援してくれてたのに。 K「あかねは俺の許婚だ!手出したらブッ殺すぞ!」って言われたの? 俺はあきらめきれなかった。
クリスマスにはプレゼントをあげて、正月には年賀状を送り、誕生日にはまた、プレゼントを渡した。 誕生日のプレゼントを渡しに会ったときには、もう、正直に言って迷惑だと言われた。
「学校でも、話かけてこないで欲しい。私のことはあきらめて、たかお君だったらもっと可愛い娘のほうが似合ってると思うし。」 そうあかねに言われた。Kと同じことを言うんだなと思った。
それでも俺はしつこかった。他の娘のことなんか考えられないし、いつまでも待っていると告げると、あかねは泣きだした。 「わたし…K君の事が好きなの…」
あかねは白状した。だから、俺の気持ちが本当に迷惑だと。
俺が告白した数日後、Kに相談したらしい。そして、あかねが本当に好きなのはKだと、あかねが告白したらしい。 「それで、Kは何て…?」
俺は尋ねた。
「たかお君に悪いから無理って…」 全てが合点がいった。あかねが冷たくなったのも、Kがあきらめろといったのも。 あかねの中では完全に俺は邪魔者になっていた。俺のせいでKに振られたと考えていた。俺が諦めればKは付き合ってくれるかもしれない。そうも、考えていたのだろう。 俺はKの対応に疑問を持った。
Kには他に好きな子がいるというのを聞いていた。相手は教えてくれなかったが、それは、あかねではないことは確認済みだ。俺はKがあかねを好きでなければ、正直、Kが誰を好きでいようと問題ではなかった。 Kは何故、好きな娘が他に居るのを隠すのか。
何故Kは、「俺に悪いから」という理由で断わったのか。
それが俺には分からなかった。 あかねは俺と同じように募る気持ちを
コントロールできずに、Kに対する恋心を大きく育てていった。その気持ちが大きくなればなるほど、俺への感情は憎悪、嫌悪へと変わってゆく。 高校三年はあかねとは別のクラスになり、あかねはそのクラスで軽いいじめに会っていたようだった。理由は、俺がかつて振ってしまった女の子に目を付けられてシカトされたり陰口を叩かれたり、女の嫉妬だった。 結局、俺の初恋は失恋に終わった。今にしてみればよくある話だし、何て事は無いホロ苦い失恋ばなしだと言えば、そうだろうなと思う。 誰も悪くないのに状況が悪いと
1みたいな生真面目な人が進んで犠牲になるよね けれども、この失恋は、俺に深い傷とKに対しする拭いようのない劣等感を残していった。 高校を卒業して、あかねはとある大手メーカーの事務員に就職した。
Kと俺は別々の大学に進学して、付き合いも疎遠になっていった。 ひとり暮らしをはじめ、俺は高校の時のように無理に明るい人間になるのをやめ、普通の人間になれるように努力していた。 高校の時にはじめたバンドの経験を活かし、ロックバンドが集まるサークルに入り、新しい環境、新しい友達、新しい自分を形作るなかで、初めての彼女もできた。 大学に行き始めて2年たったころだろうか、俺の家に突然、馴染みのない声で電話がかかってきた。うちの娘がそちらに行ってないか、とのことだった。 あかねの父親だった。
あかねは高校卒業後、実家から通勤していたらしいのだが、ある日突然帰って来なくなったとのことだった。会社にも連絡したが、無断欠勤で会社も連絡しようとしていたところだという。 親父さんは高校のとき、あかねの口から、Kと俺の名前をよく聞いていたという理由で、まずKに連絡したらしい。Kは実家通いなので卒業アルバムから連絡先を調べたとのこと。 Kは知らないといい、たかおではないかということで、俺の連絡先を聞き出し電話をしてきた、というのが顛末だった。 当時はまだ携帯電話が普及し始めの頃で、持っていない人間の方が多かったと思う。 俺は久しぶりにKに連絡をとった。
Kの話によると、あかねは就職後、勤め先の上司と不倫していたらしい。その上司との不倫が奥さんにバレてちょとした修羅場があったそうだ。 あかねの友達とKの彼女が繋がりがあるらしく、Kの彼女からの情報だ。上司は会社にもバレて自宅謹慎中。あかねは、父親にバレてめちゃくちゃに殴られたらしい。その3日後の家出ということのようだ。 俺は心配だった。心配だったし、責任も感じていた。俺が告白したことで、Kへの恋の道も絶たれ、高校最後の一年を陰湿ないじめで棒にふった。それを助けてやることもなかった。その、あかねが大変なことになっている。 そうはいっても、心配ではあったものの、俺には何をする事も出来なかった。Kとも相談したがKも同じだった。 ひとりの大人が行方をくらまそうという意思を持って姿を消せば、それを捜し出す事は容易ではない。また、捜し出したところで、では、その後の事は?と問われれば、答えも見つからない。 そもそも、どの立場からどのくらいまで首を突っ込んで良いかも、皆目、見当もつかなかった。 俺は、高校時代の友人として、心配なので何か分かったら連絡して欲しいと、親御さんに伝えた。そして、それぎり、何もできないでいた。あかねのことは暫く沙汰もない状況が続いた。 ひと月程たったある日、あかねから電話がかかってきた。 「たかお君?久しぶり…。うちの親が、その…迷惑をかけちゃったみたいで…」 俺は告白した時以来の心臓の高鳴りを覚えた。あかねとの恋は、確かに終わったことだ。新しい環境、新しい友達、初めての彼女。他人との距離感とひとの心を相変わらず学問のように学んでは、それなりに順応していた自分は、 けれども、その声を聞いただけで、あっというまに高校時代に引き戻された。 高校のとき、あれ程聴きたいと切望していた声がいま自分の家の受話器から聞こえる。そして、その声が発する言葉は、自分ひとりに向けられたものである。その些細な事実があの頃どれほど欲しくて欲しくてたまらなかったことだろうか。 暫くの沈黙があった。俺は頭が混乱していたし、あかねは次の言葉を見つけられないでいた。
「元気?」
やっとのことで捜し出した、俺の精一杯の言葉だった。
「 うん…。たかお君は?」
「…。心配…、してたよ」
「ごめんなさい」
あかねの「ごめんなさいは」、正直つらかった。振られた時と同じ声のトーンだったからだ。 けれども、あかねはきっとこの数日間、色んな人たちに何度も何度も「ごめんなさい」を言い続けたのだろう。
許される、許されないを別にして、何度も何度も。客観的に見て、大して謝罪の対象にならないこの俺にまで「ごめんなさい」を言わなければならない。 切なかった。
力になりたかった。
「なあ、どっかで会わないか?」
自然に言葉が出てきた。 あかねが高校最後の年、いじめを受けていたのを知りながら、何もしなかった自分を思い出した。何ができるわけではないのかもしれない。でも、何かをするべきだったのだ。 あかねは会うことを承諾し、翌日、地元のファミリーレストランで待ち合わせることにした。 電話を切ってから、俺は頭がくちゃくちゃになる程、いろいろ考えた。けれども考えを整理するには情報があまりにも少な過ぎた。ただひとつの結論は、何があってもあかねの味方でいよう、ということだった。 数年振りに会ったあかねは、凄く綺麗になっていた。美人か?と人に問えば何を当たり前のことを、という答えが返ってくる。贔屓目無しに、それ程、綺麗になっていた。 髪型もショートカットで相変わらずなのに、全てが洗練されていた。メイクはしているよね?という程控えめだが、もともと、色白なのでさほどする必要がないのかもしれない。メガネはコンタクトにしたようだ。 俺は自分の近況を簡潔に話した。
また、あかねも知っているクラスのほかの奴らの近況を話した。当たり障りのない話をしてあかねの言葉を待った。Kの話はしなかった。 あかねはここ最近、自分の身の上に起こったことを話し始めた。
上司は10歳年上の妻子持ちだった。会社の飲み会で密かに口説かれた。
会社で、他のひととは区別して、さりげなく優しくされた。
そして、あかねには特別重要だったこと。雰囲気がKに似ていた。 あかねは悪いと知りつつ不倫にはまっていった。
俺はこれからどうする気か尋ねた。
あかねは、今は話せないと言った。
俺に何か出来ることがあったら何でもいいから、教えてくれと頼んだ。 何もない、ただKには黙っていて欲しいとのことだった。 俺はもう何も言わなかった。
言うべき事はあったのかもしれない。
ただ、Kの名前が出てきたことがこの会合をお開きにさせる為の、あかねの合図のように思えた。 きっと上司は何を言ったとしてもあかねとの事は遊びなのであろう。
あかねにしても上司に対してそこにKを重ねて代用していたにすぎない。いずれにせよ、俺はこのふたりのドラマの脇役ですらなかった。 俺はそれ以上立ち入らなかった。障りのない話をして、何処かで拾ってきたような凡庸な励ましでお茶を濁して
別れを告げた。 それから数年、あかねとは会う事は無論の事、風のうわささえ耳に入る事はなかった。
数年後、突然、あかねからメールがやって来た。 当時、俺はフリーターでバンドマンだった。大学は中退し、新たなバンドを組み、いわゆるインディーズレーベルを立ち上げてバンド活動に忙しかった。 携帯ツールの劇的な変化、ネット社会の黎明期、高校の時は家の電話にかけて親の存在を気にしながら、喋ったもんだぜ、なんて若いやつらに言えば、昭和ですね、のやりとり。そんな時代だった。 何故俺の連絡先を知っているか、理由を聞けば、話は簡単だった。当時、バンドのホームページを開設していて、その、ホームページの中の俺のブログにコメントを残すと俺のメールに送られてくる仕組みだった。 何故、俺のバンドを知っていたかというのは、検索でなんとなしに、Kの名前を捜してみて、その後、俺の名前を検索してみたらヒットしたというわけだった。 「あたしが幸せだった頃を思い出してね、検索してみたらヒットしてびっくりしたの」
そんな内容のメールだった。 幸せだった頃?
俺の知っている限り、あかねが幸せだった頃などなかったように思うのだが。あれから、上司とうまく行ったという事なのか?それとも、また別のひとと結婚して幸せだということか?けれども、それであるならば「幸せだった頃」というのもおかしい。 メールでお互いの連絡先を交換したあと、俺は数年前と同じように、また会えないか、と尋ねた。
一週間後なら都合がつくとの事だったので、ならばまた地元で、というと、
それよりかは、今、俺の住んでいるところの方が近いというので、とりあえず最寄りの駅でという約束をした。 あかねは、今はもう地元を離れ関西の方にいるらしい。声は変わらないが言葉は関西弁であった。 一週間後、数年振に会ったあかねは、何というか、別人だった。髪の毛はだらし無く伸びていたし、白髪も少なからず混ざっていた。眉毛は伸び放題で、大分痩せたのか、頬は鋭くこけていた。 ずっと見てたけど朝早いからもう寝るね
起きてから見るからがんばって 久しぶりと笑った笑顔には前歯がひとつ欠けていて、言葉は悪いがみすぼらしいというのが正直なところだ。 全体的な印象で言えば、老けて見えた。歳は少なく見積もっても、俺より、10歳は年上に見える。 >>163
ありがとう。一人でもそう言っていただいければ、助かります。 清潔感と言おうか、清楚と言おうか、あかねの持ったいた全ての良かったところが、完膚なきまでに損なわれていた。何かで見た、戦争で爆撃を受けて焦土と化した地方都市の白黒写真。そんなイメージが、目の前のあかねに重なって見えた。 「たかお君は全然変わらへんな」
あかねははにかみながら言った。
俺とあかねは駅の近くの居酒屋に入った。そして、おたがい生ビールとつまみ数種類をたのみ、運ばれてきたビールで軽く乾杯をした。 「バンド、まだ頑張ってんねな、ネットで叩いてみたら、名前出てきてびっくりしたわ」 「あれから、」とだけ言って、俺は躊躇した。あかねの容姿を見たら、その変わり様に、決して幸多き人生を歩んできた訳ではないことは想像に難くない。聞きたい事は山ほどあったが、その全てが聞いてはいけないことに感じられた。 あかねは、察して笑った。
「随分変わったやろ?もう、おばさん通り越しておばあさんやわ」 そういうとあかねは「あれから」の事、つまり前回俺たちが会ったときのその後を語り始めた。 予想通り、あかねは上司に捨てられていた。家出のあといちど実家にもどり、すぐ部屋を借りてひとり暮らしを始めた。会社は自主退職した。上司の
奥さんから訴えられそうになったが、お腹に宿した上司との子供を堕胎することで水に流すことになった。 2度と上司と接触しない事を条件に、僅かばかりの手切れ金も手にした。あかねは上司は離婚して、一緒になると信じて疑っていなかった。 あかねと父親の確執は、不倫そのものが原因ではなく、ずっと昔からあったそうだ。何かにつけて殴ることがあったそうだ。あかねが家を出て1年後に他界したらしい。あかねは葬儀にも通夜にも出なかった。 あかねは上司と別れて独り暮らしをはじめた。そしてすぐに年下の男と同棲をはじめた。飲み屋でナンパされた相手に付いていってその日のうちに関係を持ったそうだ。 恐らく自暴自棄になっていたのだろう。この男は絵に描いたようなヒモだった。ただ、あかねには淋しさを埋める必要があった。少しばかりの貯金を切り崩し、お金が底をつくと、あかねはスナックで働くようになる。働かない男にパチンコ代を渡す為だ。
そんな関係が長続きするわけもなく、2人目の堕胎をきっかけに男とは別れた。 次の男は、店の客だった。男はバツイチ子持ちで、子供は奥さんが引き取っていた。店に来ては、子供の話をし、子供には合わせてもらえない事を嘆いていた。次第に情が移ったのか、そこにかつての上司を重ねたのかはわからない。 あかねはまもなくこの男とも関係を持った。男と関係を持ってから、男はあかねの部屋へ入り浸るようになる。 この男は、一緒に暮らし始めるとあかねに暴力を振るうようになる。あかねの歯が欠けたのもこの男の暴力によるものであった。顔が腫れ、歯が欠けると店からはあからさまに嫌な顔をされる様になり、店を辞めざるを得なくなった。
あかねが3人目を身籠った事がわかると、男は姿をくらませた。 俺は知らなかったのだが、コンパニオンといっても、交渉次第で性サービスもするそうだ。無論、断ることも出来るらしい。 「この間もな、禿げでデブな親父に5000円で抱かれたんよ」
あかねは自嘲気味に話した。 ひと通り話を聞いた俺は涙を流していた。同情の涙なのか、後悔の涙なのか、怒りの涙なのかは分からない。あるいはその全ての涙だったのかもしれない。この3流ドラマのような下らない女の転落劇。 なぜあかねがそんな人生をおくらなければならないのか?一体、あかねは何処で何を間違えたのだろう。どのタイミングで持ち堪える必要があったのだろう。俺は何処で助けてあげられる可能性があったのだろう。 俺が好きで好きでたまらなかった女を、下らない男達が寄ってたかって蹂躙し、美しさを奪いとり、生涯を台無しにし、何がどうしたら…。 「選択肢はなかったのか?」
俺はあかねに尋ねた。
「選択肢?」
「俺はあかねが好きだった。好きで好きでたまらなかった。それはあかねも知っていただろ?何処かのタイミングで俺に連絡を取ろうとは思わなかったのか?そんな男達に人生をグチャグチャにされる前に、俺で妥協はできなかったのか?」 「妥協だなんて…」
あかねは言った。
「たかお君はかっこ良かったし、正直、逃した魚は大きかったなぁ〜なんて思うことは、あったんよ。でも、たかお君はK君の親友やったし、影がちらつくというか、やっぱ考えられへんかった」 あかねはどこまで行ってもKなのだな、と思った。Kに対する嫉妬心が事あるごとに頭を擡げる。俺もどこまで行ってもKへのコンプレックスから逃れられないんだな、と自嘲気味に思った。 「実は、たかお君にお願いがあるの」
あかねは言った。そしてこれこそが今回の再開の目的であると言わんばかりに。 「実は、今度、子供の入園にお金がいって、制服もまだ買われへんくてな、こんなこと言うのもあれなんやけど、その、お礼にならへんかも知れんけど、何でもするから…」
俺は察した。金の無心だ。 「いくら必要なの?」
あかねを遮り、俺は尋ねた。
「3万円くらいあれば助かるんやけど」 悲しかった。金の無心をされたからではない。金の代償として、体を差し出そうとする、あかねのこころの短絡が悲しかった。あかねの中では他に差し出すものが何もないのだろう。 そして躊躇なく売春に結論を見いだすほど、心は訓練されてしまっていた。その訓練には相応の数の反復が観てとれた。 「今、そこまで手持ちがないから、振り込むよ。口座番号は今わかる?」
「今は分かれへん」
「じゃあ、分かったらメールして。すぐ振り込むから。」
「それと、お金は返さなくていいから。借りた負い目や返せない負い目、そんなことで人間関係を壊したくないんだ。渡せなかった、子供の出産祝いだと思って協力させて」 俺がそういうとあかねは涙声でありがとう、と言った。
かなりの勇気がいっただろう。穿った見方をすれば、あかねの身の上話も、一回抱かせて5000円のくだりも、全ては金を引き出す為の、お涙頂戴ストーリーなのかも知れない。 でも、あかねは俺に頼ってくれた。それで充分だった。正直に言えば、今この場で金を渡せないわけではない。手持ちは心もとなかったが、近くのコンビニのATMで降ろしてくればそれで事足りる。けれども、今この場であかねに金を渡せばあかねを抱かないといけない様な気がした。 それは、俺にはとても出来なかった。この女を抱く男は、この女の人生ごと抱きしめる男でなくてはならないしそうであって欲しかった。でも、俺がその男になるには、あまりに遅すぎた。 その夜、あかねと別れて、ひとり、酒を飲みに行った。 俺は、5000円であかねを抱いた、禿げデブ親父のことを考えた。それから、あかねの上司とあかねとのセックスを考えた。ヒモ男とあかねのセックス、暴力男とあかねのセックス。 俺がどんなに望んでも、触れることすら許されなかった存在に、いとも簡単に触れて人生を凌辱していった男達のことを考えた。 >>201
文章力なくてすまん。パクリではない、ベタで鬱な人生なだけだ。 そして、Kのことを考えた。
Kは唯一俺の闇に気付いた男だ。
それが為、親友になった男。
俺がいなければ、あかねはいつかKとの思いをとげられたのだろうか。
Kと俺が親友でなければ、俺とあかねは付き合うことがあったのだろうか。
あかねはあかねであることを損なうことはなかったのではないか。 Kがいなければ。
俺がKであったなら。
KがKじゃなければ。 いろんな思いが交錯して、頭がかなり混乱した。取り出そうと手を伸ばせば伸ばすほど、答えは奥に入り込んで行ってしまう、そんなもどかしさを感じた。 考えれば考えるほど酒を飲みたくなったし、飲めば飲むほど考えは混乱した。気が付けば、部屋のベッドに吐いて眠っていた。どうやって帰ったのかは覚えていない。 あかねからのメールがやってきたのは数日あとだった。銀行名と口座番号と氏名、それから、よろしくお願いしますの文字。最後にまたいつもの文句が添えられていた。 俺は3万円振り込んだあと、かすかな違和感を覚えた。違和感というより、小さな怒りの炎のようなものかもしれないし、嫉妬の炎かも知れない。 いつも、Kだ。そもそも、俺がいちいちKに報告するとでも考えているのだろうか。だいたい、Kには絶対に知られたくなくておれには知られても一向に構わないというのだろうか。 なぜ、毎回、あかねは念を押すのだろうか。本当はKに話して欲しいのではないか。だからこうやって連絡してきたのではないか。あかねのことだ。心配して電話してきたKの声が聞ければそれで幸せなのだろう。 投げやりに俺はそう思った。
無論、あかねの人生の転落は俺にもKにも責任はない。ただ、無関係ではないはずだ。一方の俺はあかねの転落話に心を傷め、一方のKは何も知らないでのほほんと生きている。そのくせに、あかねの中でいつも特別なのが気に入らなかった。 数日後、あかねから罵詈雑言の電話がかかってきた。ほとんどが内容を聞きとれないものだったが、その怒気だけは伝わってきた。俺の話など挟む余地なく、一方的にまくしあげて、電話を切られた。 Kがあかねに電話したようだ。わかってはいた。そう仕向けたのだから。間を置いてきちんと説明しようと思った。Kには内緒にして欲しい、その言葉に少し傷ついていることを。もちろんKにはあかねの混みいったことは話していないし、声を聞く機会も作ってやりたかった、と。 あかねからメールが来た。
「お金はありがとうございました。もう二度と連絡はしません。」
「さよなら」 俺はすぐあかねに電話をしてみた。繋がらなかった。メールを送っても未配信になった。あかねとの繋がりは、俺の過ちで完全に切れた。 Kからあかねの訃報の電話があったのはその一週間後だった。
死因は分からないとのことだった。Kの彼女からの情報で直接聞いたわけではない。通夜も行わず、親族だけの密葬になるそうだ。けれども俺には、思うところはあった。 それを確認する手段は俺にはなかった。いや、正確に言えば確認しようとしなかった。卑怯な事だけれども、仮に自殺であったならそれに関与したという事実を認めたくなかった。俺は意図的に自殺という言葉を避けた。 Kから高校デビュー言われた件は、とある創作物によく似てる。 自分自身に言い訳をした。事故かも知れない。病死かも知れない。譲って、自殺であったとしても、将来を悲観してのことかもしれない。 俺がKに話したのはあかねの近況だった。いま、あかねはどこどこにいて、子供がひとりいて、残念だけど離婚してしまったみたいで、(ここは嘘をついた) Kのことも懐かしがっていたぜ、また、ヒマをみて連絡してやれよ、そんな内容だった。 でも、あかねからしてみれば俺がKに話した事実は変わらないし、どこまで話したか、というサジ加減など分かりもしない。Kがさわりのない事を話したとしても、気を使われているとあかねが考えれば同じことだ。 あかねは何故死んだのだろう。おそらくは自殺だったのだろう。自殺だったとして、その目的は俺への復讐なのだろうか。俺があかねを死なせたのだろうか。 大学生だったころ、法学の講義冒頭で、教授が話していた事を、ふいに思い出した。 「罪には3つの種類がある。ひとつは、法律を守らなかった罪。これは、これから、われわれが学ぶ学問であるが、その大小、損失具合で相応の罰が与えられる。 もうひとつは、宗教における罪。教義に於いて、あるいは神によって、これもまた、量刑をへて、罰せられる。 最後に、道徳的な罪。実はこれが一番厄介だ。確実に存在するにもかかわらず、その基準はおのおのまちまちである。そして罰も与えられない」 罪に対して与えられるのが罰。罰とは救済なのではないか、と俺は考えた。犯した罪に対して罰という目に見える苦痛を与えて、それを受け入れることで罪の意識を消してくれる。だから、罰とは、「与えられる」ものなのだ。 罪そのものは消えなくても、「罪の意識」からの救済はある。それならば、俺の犯した罪に、一体誰が罰を与えてくれるのだろう。 あかねを不幸にさせた男の名簿の最後に、俺の名前が書き加えられる。そして、その名簿から俺の名前を消すチャンスは永遠に損なわれた。無論、更新される事もない。一番最後なのだ。 俺は間違っていた。俺は嫉妬して頭がおかしくなっていたのだ。君を傷つけることで、俺のことを分かって欲しかった。それがどれだけ残酷なことか、俺はきちんと理解していなかった。ごめんなさい。本当に申し訳なかった。だから、どうか、俺に罰を与えて欲しい。 どうでもいいけど懺悔なんか「お前が言ってスッキリする」効果しか
なくて死人にとって何のメリットもないんだよ
しかもそういうことを2ちゃんに晒しちゃう馬鹿さ浅ましさがその子を
殺したんじゃないの? >>239
だから悔いても死人には何のメリットもないんだよ あかねが亡くなってから、1年と少したった頃、高校の同窓会があった。高校3年生の時の同窓会なので、あかねと関わりがある会ではないのだが、Kも行くとのことで、俺も参加することにした。 宗教は生きているものだけのためにあるよね
死人はすでに死んでるんだから 懐かしい顔が並び、みんな酒が進んでいた。おう、どうした?おい、老けたな、いま、何やってんの、結婚は?仕事は? 覆水盆に返らず
贖罪の不可能性も、贖罪が自分の利益のためであることも
認識してない馬鹿だなお前は 席のあちらこちらでそんな内容の言葉が飛び交っていた。
遅れてKがやってきて、一通りのやり取りの後、Kは俺のところへやって来た。Kと他愛の無い話しをして酒を酌み交わした。あかねの話は出て来なかった。 「ところで、たかおさ、俺、結婚するぜ」
Kは言った。 ふと、俺は疑問に思った。そういえば、俺は高校の時から含めて、Kの彼女の名前すら知らない。高校3年の時、受験のうやむやとあかねとのことのごたごたで、付き合った事実しか知らなかった。その時の彼女だろうか。 >>246
愚かだよ。結局罪を許すのは自分なんだ。 あかねさんになんもかかわってないのに自分が強く関わったことにしときたいっていうやつやねー >>252
たった一度の裏切りが最期になったから。 「そう、いろいろあったけど、まあ、ケジメ婚てやつかな」
「相手は俺も知ってるやつか?」 「覚えていれば知ってるやつだ」
「誰だよ、教えてくれよ」 高校始めの頃、俺が告白されて振った子のひとりだった。 「今だから言うけどさ、俺、たかおに嫉妬してたんだよね」
「おまえが、俺に?!」
まさか、と本気で思った。 Kの話だと、彼女とは小学校からの幼馴染で、Kはずっと想いを寄せていたらしい。高校に入って俺を好きになった彼女が、幼馴染で俺と同じクラスのKに探りを入るよう頼んだそうだ。 Kは俺と同じ中学のやつに、俺のことを聞いて、あまり良い評判を聞かなかったことを教えても、彼女は聞く耳を持たなかったという。 いや1の行動はあかねの人生になんも関係ないよ
そう思い込みたい1の願望だよ
そんな大事な女性なのに葬式もいかんとかありうるんかなあ 「正直、たかおには早く誰かとくっついて欲しかったよ。あかねでも、別の誰かでも」 >>263
あ!ミッソウってかいてあったねえーみのがしてたわ >>263
あかねの人生に関係ないといわれるのは、正直複雑です。楽になるきもするし、認められない自分もいる。どちらにせよ、生きてる人間にしか決められない。 そういうことか。俺は腑に落ちた。どうしても分からなかった違和感がひとつに繋がった。 「だって、たかおさ、あの頃めちゃめちゃ頑張ってたっていうか、ほら、なんか部活でもいいところまで行ってたし、全国大会まで出たんだっけ?バンドとかも人気あったしさ、なんか敵わねーなって思ってたし、彼女も諦められないでいたしさ」 Kは俺の本質に気付いていたわけではなかったのだ。ただ、中学の頃の評判を嗅ぎまわってあんなことを言ったのだ。 そして、そこには恋愛がらみの男の嫉妬があった。誰にでも人当たりが良いKが俺にだけ当たりが厳しかったのも、あかねとのことを応援したり、他の娘をけしかけたりしたのも、Kが俺に付き合い始めた自分の彼女のことを紹介しなかったのも、全てはそこに、理由があった。 俺は、今日この会に来た理由、つまり、Kにひとつだけ聞きたかった質問をぶつけてみた。 「今さらだけど、おまえがあかねを振ったとき、俺に悪いからって断わったんだってな?」
Kの表情が曇った。
「なんでだ?」 Kは黙り込んだ。
「好きな娘がいるからでは駄目だったのか?」 そのせいで、俺はあかねに邪険にされた。あかねはKに対して諦めがつかなかった。俺さえいなければ、Kと付き合えたかもという希望を持った。こじつけかもしれない。けれども、その一言がなければ、あかねもただの幼い恋を拗らせなかったのではないか。 「ごめん。ぶっちゃけていえば、たかおに勝ちたかった。唯一手にした優越感に浸っていたかった。」 俺は不思議と腹が立たなかった。Kに詰まらないことを聞いた、と詫びて、もう一度、おめでとう、と言った。 やがて、同窓会はお開きになり、2次回の誘いを断わった俺は、Kと俺の高校生活を思いながら電車に乗り、家路に向かった。 ボタンの掛け違え、などとひとは言うかもしれない。何かがほんの少しすれ違い、そのすれ違いが気付かれないまま放置されると、大きな歪みに育って行ってしまう。それがボタンであったらどんなに良いか。 でも現実は、もう、やり直しのきかない、人生の過ちなのだ。Kに、俺とあかねの真実を話したら、Kも罪を背負うのだろうか。 >>266
関係ないよそこまで深く関わってないもん
それかかかわり合った描写が足りてないと思う
おこがましいんじゃない?死なせてしまったとか であるとするならば、罪とはひとが作り上げるものではなく、実はそこかしこに、転がっているものなのだろう。何かの拍子に触れてしまった人間だけがその存在に気付いてしまう。 Kはこの先あかねの死の真実に触れることはないだろう。あかねが生きていたことと同じようにあかねの死も忘れてしまうのだろう。 俺はKにあかねの事を話さなかった。
けれども、それはKを思いやってのことではない。 終わりです。最後まで見ていただいたかた、ありがとうございました。
文章下手でごめんなさい。 >>283
そういうものなのか?人との関わりって難しいね。 >>243
死そのものに悲劇はないと思ってます。「人は致死率100%」ですから。 それでは、仕事に行ってきます。
人生、最初で最後の2ちゃんねる。
人に読んでもらう事で、治療していた自分もいるかもしれません。 ただ、この話を書いているとき、風化しそうだった、あかねの記憶が蘇ってきました。 >>291
やたら大袈裟に書いてるけど3万振り込んだだけやんスレたてが贖罪って…
あとなんかたかおもあかねも同じ人物っぽく感じるんだなー
でも最後まで書いてくれておつかれしたー 創作なのか実話なのか知らんが、完結させたいなら線香焚いて手を合わせ来たら?知らんけど >>297
日付、状況、密葬。自殺じゃない、と思うのが逃げなのかと。 おもしろかったよ
最後まで読んでしまった
いろいろ考えさせられたよ
でも自業自得だね 辛い事を背負っているんだね
話しを聞かせてくれた事で色々と考えさせられたよ
ありがとう 淡々と書いてくれればいいのに読ませる文章を書いてると勘違いしてるかのような駄文だから途中で読むのやめた 結局何でホモセックスうんこまみれにのめり込んでいったかは分からないままだな おつ
昔の携帯小説みたいだったよ
事実にしろそうじゃないにしろ、今までずっとkに言わなかったのにたった一度言ってしまったあとに死んでしまったら後味悪いわね 1が感じているほど「あかね」は「たかお」の事を思ってはいないよ。
「k」への告白で振られた事も「たかお」の存在のせいにしてるだけ。
基本「あかね」はただの自己愛者にしか思えない。
1は「あかね」の死に対して幾ばくかの責任を感じているようだが、全く必要無いと思う。 おはよー、読んだよお疲れ様でした。
謝りたくてもそれが出来ないってのは辛いね
色々と考えさせられた >>306
ありがとう。嫉妬をしない人生が良いな。 >>307
いろんなひとが、いろんな形で罪を負ってるとしたら、どんな風に向き合っているんだろうね。 >>308
償えるほどに死そのものは価値はないと思うよ。 >>309
むしろ、途中まで読んでくれてありがとう。 >>83
これ、普通の人は小学生で自然とやってるけど >>313
ありがとう。関われない人には徹底的に関われないんだな。 あかねの転落の始まりはどこかっていうと、上司との不倫だろうね
でも、その原因はなにかと言うと彼女のKへの未練じゃなくて、その代用を不倫でしちゃったことだろうね >>314
つまらんという感想をありがとう。ガイジはググっておく。 読み終わったかんがえさせられたね
普通に文才あると思うぞ
頭良さそうなニオイがするけどいい大学行けたのか? >>197
>俺がその男になるには、あまりに遅すぎた。
なんで?
あかねの人生ごと抱きしめてやればよかったじゃん。 >>317
多かれ少なかれ罪は背負っているものさ
気にしてたらいかん とある創作物を柱として他の創作物も混ぜてアレンジされてるね。
三角関係を変えたりとか。
フェイクの為にそうしたと思うことにするよ。 >>310
実はホモといわれるのはつらかったりする。俺はホモではないが、何度か襲われた。 >>327
大してよくない。けれども、漱石が好き過ぎて「草枕」を丸ごと原稿用紙に写したことはある。ありがとう。 >>334
きっとよくない言葉なのだろうな。調べないでおくよ。「ガイジ」で懲りた。 こういうスレ久々だな
たぶん同じか少し上の世代
相手の家に電話して親が出ないかドキドキした頃を思い出した
お疲れ様 >>339
なるほどね。
だったらあかねのことは忘れて今はその彼女のこと大事にしてやれよ。 >>343
歳は、流石に。仕事は、対人恐怖症の営業マン。 >>345
今は便利だよな。でも、あのドキドキ感は悪くない。 >>349
自分が高校生だった頃の3つ上の彼氏もインディーズでバンド組んでたよ あかねの生き方は同じ女として好きになれない
自分の悲運に酔った生き方だ
そんな人はボタンのかけ違いがなくとも
幸せになれない
亡くなってしまったのにゴメンなさい あかねクズすぎ自業自得だ
こんな女の子とは忘れて今の女を幸せにしてやれ >>351
バンドマンだという事だけでモテた、夢のような時代があった。恥ずかしながら、CDにサインを書いてあげたこともある。今は、契約のサインをもらうのが仕事。 >>352
心に痛みを与えないと、心の存在を確認出来ない事もある。それは誰にでも起こりうる事で、それを以って、あかねを愚かだとは思わない。弱い人間がいるのではなく、弱くなるときがあるのだと思う。 >>354
批判をされたりすることも、生きていればこそ。 全部君のせいじゃないと思うよ、そういった子は遅かれ早かれ、だったと思う。 >>359
ありがとう。完結した話は、書き直せない。俺は多分、こう思いたいんだろうね。 >>356
ネットスラングで一番好きな言葉。
誰か産業でたのむ。 色々な仕込みもありーの、話の展開もスムーズでよかったよ >>356
>>1を振った女は>>1の親友のことが好きで、その親友にちょっと似た上司と不倫して
その後クズみたいな男どもと付き合って人生転落し、>>1にお金を借りに来た。
そのこと>>1の親友には黙ってって言われたけど>>1が言っちゃって、女は自殺した模様。 >>365
違う。ゲイに好かれやすいだけ!
何故だかわからないが、数回襲われるとなると、何かがあるんだろうな。 >>366
すまない。初めてでよくわからなかったんだ。夜中にこっそり終えようと思っていた。 だーから勝手に自殺って決めつけるなよ
そんなに自分の存在でかくしたいのか?
別にK君とも普通に会えばいいし、あかねの墓参りに行けばいいし
なんでそう物事を大きく考えるかね?しかもネガティブに せっかく仲良くなれたK君に心を開かず
俺とあかねの真実ぅ?3万渡しただけやん正味
あかねの子供どうしてんだ?
まぁこんだけ胸糞悪くなるってことは、面白く読んだからなんでしょうな
面白かったうん、面白かったわ >>371
そんな、偉大な作品と比較しないで下さい。というか、みんなが言っていた作品て「こころ」のことか。Kだし。自分の話って客観的に見られないんだね。 >>373
実は、電話口で声を聞いたことがある。しきりに、ボボボーボボ、ボーボボと言っていた記憶がある。男の子だった。どうしたかは知らない。 >>372
あかねの墓参りにはこっそり行っている。 >>374
さすがに自分で >>340 のようなレスして元ネタ告白してるのに。
他に別の作者の作品も織り混ぜてアレンジしてるのを認めてるしな。
アレンジも構成もイケてたよ。
原作リスペクトも感じられたから、
下手くそだとこうはいかない。
ここまでいちいち言うのは野暮なんだろうけど、
楽しめたよ、ありがとう。 またびっぷら名物の3流作家が来たのか。
はっきりいって、うざい。
スレタイに「物語です」って書きなよ。
そうすると、開く手間がかからず誰も迷惑がかからない。 >>375
ボボボーボ・ボーボボです
2003年頃のアニメ作品
主人公ボーボボが鼻毛神拳を使ってマルガリータ帝国を倒す旅をするお話です
僕は今でも何かから逃げてしまいそうなときボーボボのopを思い出してがんばっています >>377
ありがとう。みなさんには申し訳ないが、本当の話です。嘘があるとしたら、話ではなく、贖罪の部分です。王様の耳はロバの耳、と叫ぶことがようやくできたという事です。 >>378
やっぱり名物なんだ。実は、このチラ裏告白をする場を探してるときに、vipで書こうと思って、他の人のスレを見ていたら、 >>378
「自分語りはvip+に行け!」
と罵倒されてる人がいて、慌ててこちらにやってきました。 >>379
ボボボーボボ知ってますよ。あまり詳しくは知らないけれども、あの子の年も推測できてしまいますね。 >>384
正直、知らないんです。推測するに、そもそも、一緒に暮らしてなかったのかもしれません。あかねの実家にいた可能性はあります。俺が知る全ての情報は本人たちの話を鵜呑みにしての前提です。 >>385
そこきましたか!嬉しいな。参加するのが、初めてで、まとめはよく見ていました。当然、ネットスラング(ネスラ?)も調べていて、 >>385
本当は、ふじこ、をつかったり、www.をつかったりしたいのだけれども、慣れない関西弁を使うと怒る大阪人を気にするように、使う勇気を小出しにしてきましたw >>388
本当はどっぷり2ちゃんに入り浸ってるんでしょう?
バレバレですよ(;^ω^) >>1は立派だな。
俺なんて自分をフった女なんて不幸になってればいいのに、
そんで俺をフったことを後悔してればいいのに
なんて思ってしまう。
本気で不幸になってればいいって思っているわけでもないんだけど
好きだった人が幸せになって欲しいと思う反面、
他の男と幸せな家庭を築いていることを素直に祝福できない自分もいるんだよな。
俺は嫌な奴だ。 別に2ちゃんねるにいつもいる奴が初めてだって設定にしてようが、話自体を盛大に盛ってようがいいかなって思うわ
ちょうど同じ時間にこのスレ目に出来て言葉を交わせた、それでいいじゃん 男なのに悲劇のヒロイン気取ってるように見えるからやめなよ
あかねを死なせたとか思う方がおこがましいよ 高校3年のとき、屋上に出ていたら
「XXちゃん、見て、見て」と彼女が言うんだよ。
そしたら、彼女がにっこり笑って
屋上からダイブした。
これが、今でもおれのトラウマ。
彼女は奇跡的に軽い怪我ですんで
自宅に見舞いに行ったんだけど
完全に頭がおかしくなってた。
「人が発狂するうと、こうるんだ」ってはじめて知ったわ。 男女関係は良くなるときは上がりまくりだけど逆はむっちゃくちゃになるからな
大人になってから色々人格やら道徳やら理性やらコントロール出来なかったらほんとに人生すら破綻してしまう
そんなのなければいいんだろうが、やっぱり生き物になくてはならないもので
何言いたいかって?落ち着いた彼女ほしいな! >>397
躁の状態だった。
おれはこのことがあるまで何も知らなかったんだけど
もともとメンヘラな子で、中学でも有名だったらしい。
もうひとつ、思い当たることは
その前に週にデートの約束をしてたんだけど
おれは友だちと遠出をしてしまって
デートをキャンセルしたんだよね。
そのことが引き金になったのかもしれない。
見舞いに行ったときは、躁の状態がひどいことに加え
薬の影響もあったのか、完全に目が飛んでた。
言動も、あきらかにおかしかった。
元に戻るのに、半年くらいかかったかな。 男女問わず、仲良かったり感情移入した人の生き死にに関わればその事について何かしらトラウマになるだろ。
自分も恋人を亡くした事あって、その原因は自分なんじゃないかって考えてしまう時期はある。 じゃあ僕が死んだら彼女はずっと覚えていてくれるの? >>400
新しく好きな人や大切な人が出来るのは当然だけど、忘れる事はないと思うよ、良い意味でも悪い意味でも こんな顔も名前もバレないとこでやるより、誰かに会って自分自身を洗いざらい話して自分の罪認めてもらう方がよっぽどプラスになると思うけど… 贖罪の気持ちはぶっちゃけ無いよと言ってるからいんじゃね 気持ち悪いスレだな…
アフィ作り話だし
ガイジググるとかアホやん >>382
恋愛板でも失恋板でもあるのにあえてのびっぷら 神か仏か ってもんじゃないの?>>1にとっては
レスつけてるけど最初は「最初で最後の2ch」みたいに書いてても出て来てるし
アンカが普通に打ててるんで釣りだと思って読んでた
上手くやったよ あんまりにも人間失格のパクり過ぎる
そして高校生にもなって足が早くてモテるなんてことはありえない
こういう価値観は小学生まで
また喧嘩が強いという設定
ラノベみたいな自分がイケメンだと知らなかったという話などから
勉強や運動で優越性を維持できずに中学生くらいで捻くれてそのくせ不良にも成りきれずオタク趣味に没頭するがそこでも優越性やマウント取りが難しかったため純文学をかじって自分は他者とは違う特別な人間なんだということで自分を慰めオナニー小説を書く自己愛性人格障害者
っていうのが俺の見解だけどどうだろう
ここで問題なのは優越性うんぬんではなくて1がオタク活動とか文学をマウント取りの材料としてしか見ていないこと
ここが変わればきっと良くなると思うよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています