
以下、下根貴弘氏が実名で改めて、現金の受け渡しやパーティー券の購入について告白する。
その最新証言はより詳細で、具体的だ。「最初に渡した100万円は、石破さんが初めて総裁選に
出馬した際の2008年9月。当時、自民党本部5階に急造された選対本部で渡しました。石破さんは、
その100万円を何かの書類の間に挟んで、部屋の入り口にある受付にいた秘書の吉村麻央さん
(※現総理秘書官)に『これ、下根さんから預かったやつだから』と言って、手渡していました」。
2009年4月、鳥取県で行なわれた下根氏の父・弘氏(91)の銅像の除幕式の際にも100万円を渡した。
「この日、石破さんは他の出席者の方より少し早く帰らなければならなかった。それで私が、他の方より
先に『先生、うちで昼食を食べていきませんか?』とお誘いし、鳥取の父の自宅の2階に用意された
大皿料理を2人で食べながら、100万円をお渡ししました」。
同年9月、政調会長に就任した際はこうだ。「父と一緒に自民党本部の政調会長室を訪ね、虎屋の
黒と金の紙袋に羊羹を入れ、その脇に100万円を添えて、一緒に渡したのです。このとき、本当に羊羹だけだと
思われても嫌なので、わざわざ袋を少し広げて『こちらに入っていますからね』と石破さんに伝えたことを
よく覚えています」。いずれの際も石破首相は遠慮せず「“秒”で現金を受け取っていた」という。
前号の記事の端緒になったのは、下根氏が父との2014年の民事裁判で提出した“陳述書”だ。
そこにはパー券の購入先として複数の政治家の名前が列挙されており、冒頭に一番金額が大きい
人物として書かれていたのが石破首相だった。リストには更に続きがあり、こうも記されているのだ。
〈同・赤沢亮正氏 2万円×20枚〉
下根氏が言う。「パー券購入は、父と石破さんと同郷の鳥取県が地盤の議員だからでしょう。赤沢さんは
過去にも総裁選の際に石破選対に入っており、そこで知り合ってパー券を買うようになったのです」。
20万円(※現行法では5万円)を超えるパー券を購入してもらった場合、その旨は政治資金収支報告書に
記載する必要があり、記載していない場合は政治資金規正法違反だ。
週刊文春 2025年5月22日号
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b11371