
鉛を金に換えることに成功
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/177300
実際、2015〜2018年の重イオン運転期間全体で、ALICEを含むLHCの実験エリアでは合計およそ860億個の金原子核が一瞬だけ生成されたと推定されています。
数としては膨大ですが、原子核一つひとつは極微小で、860億個すべてを足し合わせても質量はおよそ29ピコグラム、これは人間の髪の毛1本(約0.1ミリグラム)の300万分の1程度にすぎません。
さらに、せっかく生み出された金原子核も超高エネルギー状態のまま加速器内を移動し、約1マイクロ秒ほどで加速器の真空パイプや遮蔽装置に衝突して崩壊し、消えてしまいます。
今回の成果について、ALICE実験に参加するUliana Dmitrieva研究員は「この解析はLHCでの鉛から金への核変換を初めて系統的に検出・分析した重要な結果です」と述べており、従来にはない鮮明な形で“現代の錬金術”をとらえたことを強調しています。