
■私学の方針に政府が介入する異様さ
アメリカの名門大学は単なる教育の場ではない。研究機関としてもあらゆる知が集結し、医学から経済、軍事から産業、思想・文化まで、アメリカという国のほぼすべてを支えていると
言っていいほどのパワーを持つ。国家の知的インフラの中枢だからこそ助成金も莫大なのだ。そのお金を政府が凍結するなど聞いたことがないから、アメリカ人は本当に驚いた。
第2次トランプ政権の大学への攻撃はハーバードが初めてではない。最初のターゲットは、筆者の住むニューヨークのコロンビア大学だ。600億円の助成金をカットすると通達され、
返してほしければ政権の方針に従えと厳しい条件を突きつけられた。
これも相当な衝撃だった。アメリカの、特に私学の方針に政府が口を出すことはまずない。多くの大学が「アカデミック・フリーダム(学問の自由)」を最も重視しているからだ。
助成金は貰っても、独立性を守るために各大学が自らの基金を持ち、自律的な運営を行っている。この「独立性」こそが自由なイノベーションを産む「知のグローバル・ハブ」としての原動力になる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5fe1f532575695585cb5ad756c5e4c71f3da4a0b