衆院島根1区補選記事で公選法違反の「戸別訪問」の表記 テレビ朝日「誤りに気付き修正」

4月28日に投開票された衆院島根1区補欠選挙に関してテレビ朝日のニュースサイト「テレ朝news」に配信されたインターネット用の記事を巡り、SNSなどで疑問の声が挙がっている。立憲民主党陣営の選挙活動について当初「力を入れたのが、有権者への戸別訪問だった」と表記されたが、この部分が修正されたためだ。公職選挙法で選挙活動での戸別訪問は禁じられている。テレビ朝日は産経新聞の取材に、同陣営が有権者へ戸別訪問をした事実は確認されていないとしている。

問題の記事は「自民王国『島根1区』で惨敗…取材で見えた『静かなる怒り』」のタイトルで4月29日に配信された。同社の与野党担当の政治部記者がそれぞれ島根の地元をルポ取材した内容だ。

X(旧ツイッター)上では記事のスクリーンショット画像が広まっており、当選した立民の亀井亜紀子氏の陣営の選挙活動について「力を入れたのが、有権者への戸別訪問」「一軒一軒有権者の家を訪問」と表記されている。現時点で記事は「力を入れたのが、業界団体へのローラー作戦だった」などと修正された。

選挙活動で家を一軒ずつ訪ね回る「戸別訪問」は禁止されている。Xでは「記述がそのままなら完全にアウト」「説明責任があると思う」「事実なら選挙違反で当選は無効」など疑問視するコメントが相次いだ。

テレビ朝日広報部は2日、産経新聞の取材に回答を寄せ、「記事の中で当初、立憲民主党陣営の選挙活動について『力を入れたのが、有権者への戸別訪問だった』と表記しましたが、記事掲載後に社内で誤りに気づき修正しました」と説明。「当社の取材で、立憲民主党陣営が有権者へ戸別訪問をしていたという事実を確認したものではありません」とした。(奥原慎平)

https://www.sankei.com/article/20240502-X6SUUPYD4JDXJGCZYTERRLXRTQ/