中国の富裕層、日本の高級品需要をけん引-円安の恩恵享受
Frank Connelly
2024年4月18日 8:52 JST

フランスの高級ブランドグループ、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの1-3月(第1四半期)決算では、中国の富裕層が高級品に金を惜しんでいないという心強い傾向が見えた。ただ、中国国内でのことではない。

ルイ・ヴィトンやドン・ペリニヨンなど75のブランドを展開する世界最大の高級品グループのLVMHは、中国人の需要が国外での買い物を含めると、1-3月期に10%増加したことを明らかにした。

アナリストによると、中国人観光客による購入の大部分は日本で行われたもので、富裕層が円安を利用し、ルイ・ヴィトンのバッグなど高価な商品を割安に購入した。LVMHの日本での売上高は1-3月期に約3割増加したが、他のアジア地域の売上高は6%減少した。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の高級品アナリスト、デボラ・エトキン氏は、「香港とマカオ、日本は、依然として中国人が好む買い物の目的地だ。円安の魅力が日本での高級品消費を押し上げている」と分析した。

今年に入り世界の高級品消費の約23%を中国人が占めている。新型コロナウイルス禍以前は33%だったが、2025年に向けては、さらに上向く公算が大きい。今年は高級品市場が5ー6%拡大する見通しだという。

円は対ドルで34年ぶりの安値圏で取引されている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-17/SC3YIADWRGG000