●埃だらけのパソコンから「攻撃」を繰り返した
西日本在住の佐藤大輔さん(仮名・30代後半)は、家賃3万円、6畳半のアパートに住む。

「食事は1日1食。起き抜けにお米を炊いて、スーパーで買った肉や野菜を炒めます。体調が悪ければずっと横になって、良いときはゲームや散歩をしています」

一日の大半を過ごす万年床の隣には、座卓の上に鎮座した埃まみれのデスクトップパソコンがある。
生活の楽しみは、夕方から4〜5時間見るネット動画だ。
2年前、このPCから、動画配信者のYouTubeライブを数日間「荒らし」続けた。
しばらくして、企業から損害賠償請求訴訟の提起を予告する書面が届いた。記載された賠償金額は、彼には到底支払えるようなものではなかった。

●佐藤さんの生い立ち
今年2月、佐藤さんは取材場所の京都市内にやってきた。交通費を捻出する必要があり、障害者年金の支給直後の日取りが指定された。
「信心深い母親のもとで育った」という佐藤さんの生い立ちが語られた。
母親は6人の子どもたちには何より信仰心を優先させたという。

末っ子の佐藤さんに良いことがあれば「母親の私が祈って信心を深めたからだ」。
悪いことがあれば「お前の信心が足りないからだ。仏壇を拝みに行ってこい」。
佐藤さんはそうした日々を「人格否定で自己肯定感が育てられなかった」と振り返る。

一度だけ大学進学を相談したが、母親はにべもなく否定した。上の兄や姉がそうだったように、高校卒業後からコンビニなどで働き、手取り13万円を稼げば、そのうち12万円を母親に渡した。

そんな暮らしに苦悩しながらも、学校で相談できる相手はおらず、いつしかうつ病と診断されたという。
(略)

●情報募集中
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