イラン、作戦継続する意思ない−イスラエルも報復自制か

イスラエルと米英仏などの同盟国は、イランが仕掛けた前例のない攻撃をほぼ阻止することに成功した。

イランは13日夜、イスラエルに対し、ドローンとミサイル合わせて300余りを発射。大半はイスラエル領空に入る前に迎撃し、死者は確認されていないという。攻撃による軍拠点の被害も軽微だが、落下してきた金属片でイスラエルの10歳の少女が重傷を負ったという。

バイデン米大統領は攻撃を最も強い言葉で非難すると表明。イスラエル当局者は、イランによる「深刻で危険なエスカレート」だと警告した。

ただ、イスラエル、米国ともイランに報復するとは言っていない。イランは今月1日に在シリア大使館敷地内の建物が攻撃され当局者7人が死亡したことを受けて、イスラエルへの攻撃を約束していた。

イランはイスラエルによる強い反応がなければ、一段の攻撃を実行することはないだろうと説明。イスラエル、サウジアラビアなど中東各地の14日の株式相場は下落しているが、下げは小幅にとどまっている。

イランのバゲリ参謀総長は14日、「今回の作戦は完全な成果を収めたとみている。継続する意思はない」と国営放送で述べた。イランには「数十倍の」大規模な攻撃を実行する能力があるが、意図的に攻撃を抑えたとも語った。

同国外務省はX(旧ツイッター)に、攻撃から利益を保護することにためらいはないとしつつ、現時点で作戦を継続するつもりはないと投稿した。

米ホワイトハウスの発表文によると、バイデン大統領は14日、「一致した外交的対応を打ち出すため」主要7カ国(G7)首脳と協議する。

バイデン氏はイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、同国に対する米国の支持は「揺るぎない」とあらためて強調した。だが、ニュースサイトのアクシオスがホワイトハウスの匿名当局者の話として報じたところでは、イランに対するイスラエルの報復攻撃を米国は支持しないとバイデン氏は述べたという。

イスラエルは14日午後、閣議を開いて対応を協議する見通し。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-14/SBXD6UT0G1KW00