子どもがアンチエイジングに夢中に、背景には一体何が? 米国
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/040500195/

 一方、アンチエイジング化粧品は、自分の容姿を保つことに熱心な(あるいは必死な)年配の女性たちの独壇場だった。だからこそ、私を含むティーンエイジャーは手に取ろうと思わなかったのだろう。

 ニキビケア用の化粧品は今も10代を対象にしている。しかし、ソーシャルメディアには20代以上のビューティーインフルエンサーが露出し、有名人がアンチエイジング化粧品やボトックスの使用を公言している。マーケターが「聖杯」とうたうこれらの商品をあちこちで見かけるため、今のティーンエイジャーがそれを手に取る可能性も高まっているのだ。


 写真の修正は、写真そのものと同じくらい長い歴史があるようだ。パイス氏によれば、19世紀半ばに写真が進化し、しわや毛穴まで見えるようになったころ、人々は写真家に、エアブラシや絵の具で自分の欠点を消してほしいと懇願し始めた。「当時と違うのは、今は誰でもそれをできるようになったことです」

「Facetune」のようなアプリや、どのスマートフォンにも標準で付いている写真編集ツールのおかげで、以前より簡単に写真で欠点のない顔を実現できるようになった。フィルター加工の拡大は、フィルターなしの「ありのまま」の写真を投稿する「#ノーフィルター」という反動まで生み出した。

 しかし、ノーフィルターのトレンドはそれほど広まっていないようだ。若い女性の90%の人がセルフィー(自撮り写真)を投稿する前に編集しているという英国での研究結果もある。

 そして、それは現実世界にも影響を及ぼしている。2023年に発表された研究によれば、自分の写真を編集している人は、自分は魅力的でないと考える傾向が強かった。また、自分の写真を編集している人は、いわゆる「自己対象化」を行っていた。