日本サッカー協会が11日、森保ジャパンの2026年北中米W杯アジア2次予選のアウェーでの北朝鮮戦(26日)を、
予定通り平壌で開催するとアジアサッカー連盟(AFC)から通達があったと発表した。なでしこジャパンは
試合直前で中立地開催となったが、男子代表は平壌開催が確定。この決定の裏には、政治的な思惑が見え隠れしている。

【写真】開催地となる北朝鮮・平壌市の金日成スタジアム

 北朝鮮のアウェー戦を巡っては、会場が同国の首都・平壌とAFCからすでに発表されていたが、
2月24日に行われた女子サッカーのパリ五輪アジア最終予選第1戦で、会場が当初の平壌から試合3日前に
中立地のサウジアラビア・ジッダで開催されることが決定。異例の騒動に発展した。

 そのため、森保ジャパンのアウェー戦も開催地を改めてAFCが検証。今月上旬に視察団が平壌で視察を行った結果、
予定通りの開催が確定した。この日、日本協会がAFCから「通達を受信しました」と発表した。

 会場の金日成競技場は北朝鮮サッカーの聖地で、最大10万人の収容を誇るとも言われる。
大アウェーの環境に加え、人工芝のピッチに日本人選手は不慣れで、過去の同地での対戦成績は2分け2敗の4戦未勝利と鬼門だ。

 そんな地獄のアウェー♀J催が、なでしこジャパンとは対照的に強行されることになったのは、
なぜなのか。要因の一つが政治的な背景だ。韓国メディア「ニュース1」は
「今回のサッカー競技をきっかけに、首脳会談開催に関する議論がなされる可能性も提起される。
北朝鮮と日本が外交的対話に出るかもしれない」との見解を示す。

 北朝鮮の金正恩総書記の妹にあたる金与正朝鮮労働党副部長は2月15日に、日本人拉致問題が解決済みであることを前提として、
日本の岸田文雄首相が「平壌を訪問する日が来るかもしれない」との談話を発表して衝撃を与えた。

 同メディアは、この方針を受けて北朝鮮が日朝首脳会談の機運を高めるために、森保ジャパンとの一戦を利用≠キると分析。
「韓国はもちろん、米国もけん制するために日本との外交を模索する可能性がある。
岸田首相は暴落した支持率回復のため、首脳会談カードを使う可能性もある」とした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/da3c4e0bfa739e81fb00f4866368e848cc24f639