串本 小型ロケット9日打ち上げ 成功すれば民間単独は国内初
03月08日 15時30分


串本町にあるロケットの発射場から、東京のベンチャー企業が開発した小型ロケットの初号機が、9日に打ち上げられます。
搭載された人工衛星の軌道への投入が成功すれば、民間企業単独の打ち上げとしては国内で初めてで、これまで国主導で進められてきた日本の宇宙開発の
国際競争力を高められるか注目されます。

打ち上げられるのは、東京のベンチャー企業「スペースワン」が開発した全長およそ18メートルの固体燃料式の小型ロケット「カイロス」の初号機です。
9日午前11時すぎに、この企業が串本町に整備したロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられる計画です。
政府の小型の人工衛星が搭載されていて、計画では段階的に機体を切り離し、およそ50分後に高度500キロで地球を回る軌道に衛星を投入するとしています。
「カイロス」に搭載できる小型の衛星は国内外で打ち上げの需要が高まっていて、企業は低いコストで衛星を宇宙に届ける「宇宙宅配便」を目指し、
2030年代には年間30回ロケットを打ち上げる計画です。
今回、衛星の軌道への投入が成功すれば民間企業単独の打ち上げとしては国内で初めてで、これまで国主導で進められてきた日本の宇宙開発が、
今後、民間の力も活用して国際競争力を高められるか注目されます。
打ち上げに伴う経済効果について、和歌山県は10年間で670億円程度と試算していて、企業の宇宙ビジネスへの参入を通して地元の産業の活性化に
つなげたい考えです。

【盛山文科相 “大変期待”】
盛山文部科学大臣は、8日の閣議のあとの記者会見で、
「今回の打ち上げに成功すれば、民間企業主導で開発したロケットによる人工衛星の軌道投入事例として日本で初めてになるので、大変期待している。
また、宇宙政策上の重要な一歩にもなり得る。今後の日本のスペースビジネスの飛躍に向け打ち上げの成功を心から願っている」
と述べました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20240308/2040016917.html