中国不動産開発2位の万科、株と社債が値下がり−債務巡る懸念が再燃

売上高で中国2位の不動産デベロッパー、万科の株価と社債が4日、記録的な安値水準となった。債権者への返済にさらなる猶予が必要なのではないかという懸念が再燃した。

万科株は香港で一時7.8%安。深圳では5.2%下げる場面もあった。ブルームバーグが集計した価格データによると、万科の一部人民元建て債は最安値を更新。2027年償還のドル建て債(表面利率3.975%)は5セント余り下げ額面1ドルに対し48セントとなった。

最近の報道によれば、万科は複数の金融機関と支払い延期の交渉を行っている。これが、同社の返済能力に対する新たな懸念を生んだ。ブルームバーグは昨年12月、中国の少なくとも2社の国有保険会社が万科の私募債返済について、一定の猶予を与えることで合意したと伝えていた。

ノムラ・インターナショナルHKのクレジット担当アナリスト、アイリス・チェン氏は「今回の一連のうわさはすでに揺らいでいる市場における万科の信頼度を大きく損なった」と述べたが、当局の政策を背景とした何らかの支援はまだあるはずだとの見方も示した。

万科は1日、深圳に上場するインフラ不動産投資信託(REIT)で約11億6000万元(約242億円)を調達する計画だと発表した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-04/S9T73OT0AFB400