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チェコに登場、欧州初「中国製電車」数々の問題点
長期間認可出ずやっと運行、見かけは立派だが
橋爪 智之 2024/02/10 4:30
当初発注した鉄道会社は「契約破棄」
シリウスは2016年、同じチェコの民間運行会社レオ・エクスプレスによって3編成が発注され、2019年に製造された6両編成の連接式車両で、直流3kVと交流25kV 50Hzに対応した複電圧式となっている。最高速度は時速160kmで、将来的には近隣諸国への乗り入れも検討されていた。
2019年9月からは運行認可を取得するため、チェコ国内にあるVUZヴェリム試験場でテストが続けられていたが、2年以上経過しても運行認可を取得できず、2022年4月にはレオ・エクスプレスとの契約が破棄されたことが伝えられた。
(中略)
走行時の激しい衝撃、安全性は?
最後に、筆者の視点から見て致命的と感じたのが、走行に関わる部分だ。
シリウスは連接式を採用しているが、走行中、特にカーブやポイント部分を通過する際に、車体が壊れるのではないかというほどの大きな衝撃がたびたび発生した。これはダンパー性能の問題なのか、車体構造上の問題なのかわからないが、試乗した数時間の間に何度も発生しており、思わず身構えるほどであった。
現在、試験運行を行っているコリーン―ウスティ・ナド・ラベム間は、貨物列車が多く走る重要な幹線の一つで、線路状態もきちんと整備されている。また、運転最高速度は時速120kmで、車両性能上の最高速度である時速160kmで走ることはない。いわば、テストで慣らし走行するには適度な路線であるが、そのような路線でこれだけ激しい衝撃を感じるというのは尋常ではなく、認可取得遅延の原因の一つではないかと考えられる。
はたして、これが現場の調整だけで修正できるものなのか。今回の試験走行でいろいろな課題が見えてきたが、まずは安全に走行させることを最優先に改良を進めない限り、この新型車両に希望は見えてこないと強く感じた。