【リビウ(ウクライナ西部)=倉茂由美子】ロシアのプーチン政権がウクライナへの侵略を始めてから24日で2年となった。弾薬などが不足するウクライナは守勢に回る一方で、ロシアは戦闘の長期化を見据え、兵器を増産しながら攻勢を強めている。戦闘は3年目に入ったが、終結の見通しは立っていない。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は23日のビデオ演説で「ロシアがウクライナを破壊することは許さない」と強調した。その上で「民主主義国家は現代の世界を形作る価値観を守るため、歴史的プロセスから手を引いてはならない」と述べ、西側諸国にウクライナへの支援継続を訴えた。
首都キーウには24日、先進7か国(G7)議長国イタリアのメローニ首相やカナダのトルドー首相、ベルギーのアレクサンダー・デクロー首相、欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長の4人が訪問した。ロイター通信によると、イタリアとカナダの両首相は滞在中、ゼレンスキー氏と安全保障協力に関する2国間協定をそれぞれ結ぶ予定だ。英独仏などに続く締結となる。
ウクライナは今月、東部ドネツク州アウディーイウカを露軍に制圧されるなど守勢が続いている。これまでの兵士の死傷者は17万人以上に上る。米欧の「支援疲れ」も指摘される中、G7首脳は24日、テレビ会議を開く。ウクライナとの連帯を強調する見通しだ。
この日、ウクライナ各地で戦死した兵士の追悼行事が行われた。ロシアの首都モスクワでは、赤の広場近くで露軍兵士の妻らが兵士の帰還を訴える献花を行った。露独立系メディアは現場で取材中の記者ら4人が警察当局に連行されたと報じた。
戦闘は侵略開始2年の節目でも続いた。ロイター通信によると、露軍は23~24日にウクライナ各地を攻撃し、少なくとも6人が死亡、12人が負傷した。一方、露西部リペツク州の製鉄所が24日未明、無人機とみられる攻撃を受けた。ウクライナ空軍の司令官は23日、露軍のA50空中警戒管制機を撃墜したとSNSで明らかにした。
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