月面探査機SLIM、順調に稼働 2月1日以降は「休眠」へ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、月面着陸をした探査機「SLIM(スリム)」が28日の運用再開後も順調に稼働を続け、特殊なカメラを使った月面の岩石観測を追加で実施できたと明らかにした。着陸地点が「日没」を迎え、太陽光発電が止まると見込む2月1日以降は「休眠」状態に入るとしている。

 岩石観測は、月の起源を解明する手掛かりになる。これまで観測対象として犬の種類に例えた愛称を付けた六つの岩石のうち五つ(トイプードル、秋田犬、甲斐犬、セントバーナード、柴犬)の詳細な観測に成功。運用再開後、さらに二つの岩石(土佐犬、ビーグル)も対象に追加して撮影した。残りの岩石(ブルドッグ)も観測する予定。

 着陸地点の付近には、隕石が衝突して露出した月の地中深くにあるマントル由来の岩石があるとされる。岩石の組成を地球のマントルと比較し、月の起源が地球なのか、かつて地球に衝突した天体なのかを調べる。

 スリムは20日、赤道南側の「神酒の海」にあるクレーター付近に降りた。

https://nordot.app/1125012879489696101


小型月着陸実証機SLIM@SLIM_JAXA
昨夜21時から本日朝9時まで、内之浦34mと臼田64mの深宇宙用アンテナを使い、SLIMの運用を行いました。
今のところ太陽電池の発電は正常で、SLIMは太陽電池からの電力で問題なく稼働しています。

今回の運用では分光カメラで秋田犬、甲斐犬、セントバーナード、柴犬、ビーグル、土佐犬のマルチバンド観測ができました!ビーグル、土佐犬は復旧後の観測によって新たに仲間入りした観測対象です。

次の観測は今日(1/30)の22時から明日(1/31)の9時頃行います。なお、2/1以降は、SLIMはしばらく休眠に入ります。