中国の投資信託の清算、5年ぶり高水準−株のメルトダウン響く

昨年清算された投信の5本中4本が株式に特化した投資方針を採用
今年も既に14本が清算されたほか、二十数本が閉鎖寸前と警告

中国株のメルトダウンは同国の資産運用業界に大打撃を与えており、投資信託の清算は昨年に5年ぶり高水準に増加した。投資家の信頼感の低下があらためて示された。

ブルームバーグが2014年までさかのぼって集計したデータによると、昨年清算された中国の投信は約240本と、資産運用ルールの厳格化が大規模な業界再編の引き金となった18年以来の高水準となった。清算された投信の5本中4本が株式に特化した投資方針を採用していた。

公式データに基づくブルームバーグの算定によると、この傾向は今年に入っても続いており、既に14本の投信が清算されたほか、二十数本の投信が閉鎖寸前だと警告している。

投信の清算は中国株式相場の下落スパイラルを加速させ、個人投資家が現金の安全性を求めて、かつて選好していた投信を敬遠するという悪循環を生んでいる。

モーニングスターの中国のファンド調査センターのシニアアナリスト、リ・イーミン氏は「運用成績の低迷が、投信の縮小ひいては清算の重要な要因となった」と指摘した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-19/S7HNGBT0AFB400?