[ラスベガス 12日 ロイター] - 米ラスベガスで開催された「テクノロジー見本市(CES)」では、
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時代のノートパソコンの買い替え促進に取り組む
パソコンや半導体のメーカーがこぞって人工知能(AI)を活用した新機能を打ち出した。

米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)(AMD.O)とインテル(INTC.O)は、
人間の脳のように学習して情報処理ができる「ニューラル・プロセシング・ユニット(NPU)」を最新の半導体に搭載。
消費者が再度、高価格帯ノートパソコンへの買い替えに動くのを期待している。AI機能を追加で盛り込むことで、
米アップル(AAPL.O)からの市場シェアを奪える可能性もある。

半導体メーカー各社がNPUの構築に動いたのは、比較的少ない消費電力でAI機能の高度なパフォーマンスを実現できるため。
現時点で新たな性能をフル活用できるアプリケーションは少ないが、今後は増える見通しだという。
現在、こうした半導体を活用可能な数少ないアプリケーションに米アドビ(ADBE.O)が開発した「クリエイティブスイート」などがある。

インテルは、PCベンダーらが最新ノートパソコンをお披露目し、新機能のデモを行うイベントを開催。
米デル(DELL.N)のパソコンには、マイクロソフトのOS(基本ソフト)「ウィンドウズ」のAIサービス
「コパイロット」を呼び出すキーが搭載されている。

今の段階ではコパイロットを呼び出してもタスクの実行にかなりの時間を要する。
デルのPC事業担当幹部は、こうしたエンジンをパソコンに搭載すれば、より速く、低遅延でより多くの作業がこなせると述べた。

コパイロットをパソコンに搭載するには、たとえ高性能AI半導体が組み込まれていても、今よりかなり強力なマシンが必要になる。
目下、新型半導体はインテルやAMDと提携するパソコンメーカーの高価格帯ノートパソコンに搭載されている。
AMDの幹部によると、高性能AI半導体を搭載したパソコンの価格は800─1200ドル程度になる見込みだ。

https://jp.reuters.com/economy/industry/KFHZ33232JMF7HH5UHKP5J37J4-2024-01-15/