辺野古移設、国が初の代執行 来年1月12日にも着工

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は28日、沖縄県に代わって工事の設計変更を承認する代執行を行った。地方自治法に基づき、国が自治体の事務を代執行するのは初めて。防衛省沖縄防衛局は来年1月12日にも軟弱地盤がある区域の工事に着手する。

 米軍機の騒音や事故など沖縄の基地負担は重く、県内移設には根強い反対がある。県が反発を強める中で、移設計画は新たな段階へと進む。

 今月20日に福岡高裁那覇支部判決で承認を命じられた玉城デニー知事が応じなかったため、国は代執行に踏み切った。斉藤氏の決裁を受けた承認書を防衛省沖縄防衛局の職員に交付した。

 地方自治法は、国が自治体に委ねている「法定受託事務」の管理や執行で自治体に法令違反や怠慢があり、著しく公益を害する場合、勧告や指示、提訴を経て代執行できると定めている。

 知事は27日、判決を不服として最高裁に上告したが、代執行の効力は維持され、工事は進む。逆転勝訴すれば、知事は3カ月以内に承認を取り消すことができる。

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