11/7(火) 8:00配信 毎日新聞

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、どれほどの資産を保有しているのか――。教団が公表している全国の関連施設296カ所の土地・建物について毎日新聞が不動産登記を確認したところ、土地99カ所・建物91棟で教団が所有権を持っていることが判明した。さらに専門家の監修の下、土地の推定評価額を算出し、公表されていない巨額資産の一端が浮かんだ。

 調査は、教団が2023年8月時点でホームページに掲載していた教会290カ所(東京都渋谷区の本部を含む)と研修施設5カ所に、東京都多摩市の研修施設予定地(22年4月取得)を含めた計296カ所を対象とした。

 登記情報によると、総面積は、土地の権利関係が複雑で教団の所有割合が判然としない「宝塚研修センター」(兵庫県宝塚市)を除き、98カ所で計約12万7500平方メートル。一般的なバスケットボールコート300面分を超える。

 土地の推定評価額は、全国で唯一の不動産学部がある明海大不動産学部不動産研究センター長の山本卓教授(不動産鑑定士)に監修を依頼し、実勢価格に近い額を導き出すため「固定資産税路線価」を指標に算出した。広さなど一部の個別的要因を考慮して減額修正したが、土地の推定評価額に解体費用は含んでいない。

 算出方法の詳細と推定評価の総額は毎日新聞ウェブサイトの有料記事で紹介しているが、推定評価額が1億円を超える土地は22カ所あった。ただ、あくまでも試算のため、実際の土地売買に際し、現地調査や個別的要因なども踏まえて不動産鑑定士が算出する価格と比べ、高くなったり、低くなったりするという。

 ◇「土地・建物手放す予定なし」

 教団は取材に対し「(土地・建物の所有状況について)公式サイトなどでの公開予定はありません。これまでに売却などで手放した土地・建物はなく、今後手放す予定もありません」と回答し、多摩市での研修施設建設は「計画を見合わせています」とした。【金森崇之、安藤龍朗】

https://news.yahoo.co.jp/articles/5585fa8407ba7e22d9dc39c947921507b1a6bf91