人工知能(AI)を使って制作した絵画がコンテストで優勝作品に選ばれたことをきっかけに、芸術作品がコンピューターで生成できるのか、そして芸術家とは何かという論議が巻き起こっている。

ジェイソン・アレンさん(39)はコロラド州プエブロウェスト在住のゲームデザイナー。同州の美術コンテストに出品した作品が8月、新人アーティスト部門の「デジタルアート・デジタル加工写真」分野で1位に選ばれた。

優勝作品の「Theatre D'opera Spatial」は、文章で指示した通りの画像を生成できるAIシステム「ミッドジャーニー」を使って制作したものだった。アレンさんは賞金300ドル(約4万3000円)を獲得した。

「私はこの画像にうっとりした。みんなに見てもらいたいと思った」。アレンさんは2日、CNN Businessの取材にそう語った。

作品はアレンさんが出品した3枚の中の1枚で、ルネサンス絵画とSF調の絵画を組み合わせたような作風だった。この部門には11人が18作品を出品した。

同部門では、デジタルアートを「制作あるいはプレゼンテーションの過程でデジタル技術を使った作品」と定義していた。アレンさんは、
ミッドジャーニーを制作に使用したことを
応募の時点で明記していた。

ミッドジャーニーでは、
例えば「怒ったイチゴの油絵」といったフレーズを入力すると、
複数の画像がわずか数秒で制作される。
しかしアレンさんが出品した3枚の作品を完成させるまでには
80時間以上を要したという。

アレンさんはまず、フリルのドレス姿で宇宙ヘルメットを着けた女性の画像をミッドジャーニーに生成させた。
ビクトリア調の衣装と宇宙のテーマを融合させる狙いだった。
時間をかけながら指示言葉に微調整を加え(光の具合や色調など)、900のバージョンを作成して最終的に3枚の画像を完成させた。

画像
https://i.imgur.com/7uEdj2v.jpg

https://www.cnn.co.jp/amp/article/35192929.html