警察庁は29日、東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を巡り、中国からとみられる迷惑電話を受けたとして31都府県警に被害相談があったと明らかにした。各地の警察が被害状況を確認している。

警察庁によると、海洋放出が始まった24日以降、自治体や企業、学校、ホテル、飲食店などから相次いで相談が寄せられている。28日正午までに225件に上り、内訳は福島が最多の74件、次いで東京42件、愛知19件など。山梨、長野など海に面していない県や、福島第一原発から遠く離れた九州でも相談があった。

電話は、片言の日本語で罵倒したり、中国語でまくしたてたりするケースが目立つ。海洋放出への批判が目的とみられ、多くは中国の国番号「86」で始まる番号だったという。

警察庁幹部は「国際電話を拒否するサービスを活用するなどして注意してほしい」と話している。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230829-OYT1T50174/