第105回全国高校野球選手権記念大会は8月23日に決勝戦が行われ、神奈川県代表の慶応が宮城県代表の仙台育英を8対2で下し、
107年ぶりの優勝に輝いた。日本中の野球ファンが歓喜し、慶応の勝利を讃えたのだが、X(旧ツイッター)などSNS上では、
「慶応の応援がうるさい」という批判の声も溢れかえった。
今年の甲子園では、慶応の大応援団がアルプススタンドに陣取り、ほぼ東京六大学野球と同じスタイルで応援を繰り広げた。
OBも大学生の時になじみがあっただろう。そのためか全員が一体となっての大声援とブラスバンドの音量は凄まじいものがあった。
得点が入った時などで歌われる応援歌「若き血」の「慶応 慶応 陸の王者 慶応」が耳に付いてしまった人も多いだろう。
そのせいか、決勝戦の前からXでは慶応の応援を問題視する投稿が相当な数にのぼっていた。相手チームへのプレッシャーが尋常ではなく、フェアではないという指摘だ。
仙台育英の須江航監督も、慶応の応援は要注意と考えていたようだ。前日練習の後、マスコミの取材に応じ、
「ミーティングでは選手にどのような話を?」との質問に、以下のように答えた。
《春のセンバツで対戦しているので、その時にも(選手に)話をしているけれど、
慶応さんが日本の政治や経済やいろいろな分野で、どんな影響力を持っているか。
どのような方がいるかということをきのう(21日)も話した。球場は慶応の関係者がいらっしゃって、
ここまでもとてつもない応援を繰り広げていましたけれど、それを(決勝は)越えてくるぞと》(註)
応援のレベルが異常だった決勝戦
だが、どれほど事前に用心を重ねていたとしても、実際にグラウンドに立ち、体で音圧を受け止めれば
、激しく動揺しても不思議ではない。試合展開も大きな影響を与えたはずだ。担当記者が言う。
「これまでにも応援が話題になってきた慶応でしたが、決勝戦はレベルが違いました。アルプススタンドが満員なのは言うに及ばず、
三塁側は大半が慶応を応援していました。球場の半分以上が慶応に声援を送っていたことになります。
おまけに1回の表、先頭バッターの丸田湊斗くんがホームランを放ちました。これで観客のボルテージが一気に盛りあがり、
球場全体が異様な雰囲気に包まれました」
朝日放送テレビは決勝戦の中継を行い、日本大学第三高等学校で野球部の監督を務めた小倉全由氏と、
早稲田実業で優勝に輝き、日ハムで投手として活躍した斎藤佑樹氏が解説を務めた。
「小倉氏も斎藤氏も共に、異様な球場の雰囲気について、序盤から言及していました。
仙台育英の先発は湯田統真くんでしたが、なかなか球が低めに投げられず、
両氏とも『いつものピッチングではない』と指摘。湯田くんが
慶応一色となってしまった甲子園の雰囲気に呑まれてしまった可能性が浮かび上がりました」(同・記者)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a098db6d47ef6fa13fb99a8b9592beddbdc397b?page=1