「警察に話も聞かれたよ。パソコンで調べると結構、同姓同名がいるんだね。でも、マイナンバーで“なりすます”なんて……」

 困惑する“事件”が起こったのは2020年夏。

 名古屋市在住の「森進一」という男が、自身の名を利用して詐欺を画策。インターネットで全国の「森進一」氏を検索し、同姓同名の男性が住む自治体に、地元在住と偽ってコロナ対策特別定額給付金を申請した。

 その際、彼が身分証明に悪用したのがマイナンバーカード。それぞれの自治体に自らのカードを提出した。給付金の申請名義は各地の「森進一」さんだからそもそも住所が違う。生年月日も異なる。普通はバレる。冒頭は露見したケースだが、石川県能登町だけはまんまとだまされ、名古屋の「森さん」に計50万円を振り込んでしまったのだ。

つづきはうぇbで