猛暑が続くギリシャのロードス島で22日、山火事のため数千人の住民や観光客が自宅やホテルから避難する羽目になった。ギリシャの消防当局によると、3500人以上が安全な場所に移動した。
欧州各地が熱波に覆われる中、ロードス島では18日以来、強風にあおられて山火事が続いている。島内の宿泊施設の1割未満が位置する場所が、火事の影響を受けており、キオタリ地区の3つのホテルが火災被害に遭ったという。ラエルマ、ラルドス、アスクリピオの地区も被災している。
ギリシャの気候危機・市民防災省によると、負傷者の報告はない。被災地域に宿泊していた観光客は、島内の別のホテルへ移動するよう案内されている。
沿岸警備隊に加えて個人所有の船舶も、島の東岸の海岸から避難する人たちを乗せて移動させた。ギリシャ海軍艦も、救助に向かっているという。

現地の消防幹部は、避難する人たちの収容に、フェリー船や島内の屋内競技場が用意されていると話した。ロードス島は森林が多く、そのために観光地として人気が高い一方、そのせいで消火活動が困難になりがちだという。
ギリシャのテレビは、黒煙を背景に、スーツケースと共に避難する観光客の長蛇の列を映している。
イギリスからの旅行客ベッキー・ミリガンさんはBBCに、家族と泊まっていたホテルから避難したものの、猛烈な暑さの中で数百人と一緒にビーチで立ち往生していると話した。
「こんなに大勢いるのに、ここには小さい小屋しかない。小さい子供もいて、真昼間で、誰も助けてくれないまま、私たちはここにこうしているしかない。ひどい話」と、ミリガンさんは述べた。
20日にロードス島に着いたばかりというケイティー・ピアスフィールド=ホームズさんはBBCに、「カオス」だと言い、「それまでは普通だったのに、昼頃に空がオレンジ色になって、昼間なのに夕焼けみたいだった」と話した。
「何百人もの人がビーチに下りていって、水や濡れたタオルを探していたけれども、私たちはホテルにいるほうが安全だと(消防隊員に)言われた」のだという。他の宿泊客は避難し始めていたという。

https://www.bbc.com/japanese/66281342