【マニラAFP時事】フィリピン政府が進める観光キャンペーンの一環で制作されたPR動画に、外国の画像が使われていることが明らかになった。動画を制作した広告代理店は2日、「極めて不適切」な画像を使用したと謝罪。動画はフェイスブック(FB)から削除された。
動画は、フィリピン政府が4900万ペソ(約1億3000万円)を投じ6月下旬に開始したキャンペーン「フィリピン大好き」で制作された。ところが、使われている画像に外国のものが複数あると、人気ブロガーがFBで告発。観光省が調査に乗り出すと発表していた。
AFP通信の調査では、動画に登場する棚田の画像はインドネシア・バリ島、砂丘の空撮画像はブラジル北東部クンブコのものだった。アラブ首長国連邦(UAE)の砂丘をバギーで走る画像も使われていた。
広告代理店は声明で、動画に「外国の映像資料が用いられていた」と説明。「不幸なミスだった。適切な審査と認証プロセスに厳格に従うべきだった」と謝罪した。
観光はフィリピンの主要産業だが、貧弱なインフラと高コストのため、誘客数は近隣諸国に後れを取っている。国連世界観光機関(UNWTO)によると、昨年の観光客は270万人で、新型コロナウイルス禍前の2019年から68%も落ち込んだ。
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