茨城県筑西市やつくば市などを流れ霞ケ浦(西浦)に注ぐ桜川で「水面に魚が大量に浮き、両岸にも打ち上げられている」。つくば市のパート大里昇さん(68)が本紙に情報を寄せた。
県などによると、大量死していたのは遡上そじょう中のコイ科のハクレン。田土部堰をせき止めたために水位が低下し、窒息死したとみられる。

県環境対策課によると、ハクレンの大量死は24日夜に発生。県土浦土木事務所が25~28日の4日間で約800匹の死骸を回収した。まだ相当数が残っており、作業終了のめどは立っていない。同課は他の魚が近くを泳いでいることから、水質に異常はないと判断している。

つくば市の飲食店「彩食工房ひるくらいむ」を経営する男性は、24日にハクレンとみられる魚の群れを動画で撮影していた。男性は「ものすごい数に驚いた」とツイッターに動画を投稿した。

県水産試験場内水面支場(行方市)の根本孝支場長は「桜川でこれほどの大量死は今までにない。ハクレンは5~7月に産卵期を迎えて川を遡上するが、(川をせき止めて田んぼに水を引く)田植えの時期と重なったのが大きい。川ですし詰め状態になり、酸欠になったのでは」と話している。(青木孝行)

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