米当局、ARC製エアバッグ・インフレーター6700万個のリコール要請
2023年5月15日10:06 Reuters
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が12日発表した書類で、安全面での不具合を理由に米自動車部品サプライヤー、ARCオートモーティブの
エアバッグ・インフレーター(ガス発生装置)6700万個のリコール(回収・無償修理)を要請したが、同社はこれを拒否したことが明らかになった。
NHTSAは、ARCに宛てた催告書で、同社製インフレーターの衝突時の部品破裂が増えているにもかかわらず、同社はリコールを必要とする不具合と認定していないと指摘。
これらのインフレーターは死亡ないし負傷の不当なリスクを及ぼすと警告した。
このインフレーターは米ゼネラル・モーターズ、クライスラーの親会社ステランティス、独BMW、韓国の現代自動車、起亜などの車両で使用されている。
GMは同日、同インフレーター搭載車約100万台のリコールに合意した。同社の車両で3月発生したインフレ―ターの破裂でドライバーが顔にけがを負っている。
ARCは、米国内で発生した7件の破裂を根拠にインフレーターに欠陥があるとのNHTSAの結論を認めなかった。
これを受け、NHTSAは今回のリコール対象6700万個のインフレーターに欠陥がないことを証明するよう求めたところ、
同社は破裂の分析についてNHTSAと自動車メーカーとの協力を継続すると回答した。これらのインフレーターは18年にわたり製造された。
ARC製エアバッグ・インフレーターを巡っては、2件の負傷の報告を受け、NHTSAは2015年7月に調査を開始した。
16年にはカナダで現代自動車の車両で死亡事故が発生したことから、調査対象をインフレーター800万個超に拡大して以降調査は続いている。
https://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN2X601A