ベラルーシのルカシェンコ大統領は9日、同盟国ロシアの首都モスクワで同日行われた第二次世界大戦の
対ドイツ戦勝記念式典に出席した後、プーチン露大統領主催の食事会を欠席し、ベラルーシに帰国した。
式典ではルカシェンコ氏の右手に包帯が巻かれていたほか、プーチン氏や他の旧ソ連諸国の首脳陣が徒歩で
移動する中、ルカシェンコ氏だけが小型車で移動する様子が撮影されており、同氏の健康が悪化しているとの
観測が浮上している。

ルカシェンコ氏の手の包帯について、露独立系メディアは、同氏がカテーテル治療を受けた可能性があると指摘した。
ベラルーシの政治学者、ボルクネツ氏は「ルカシェンコ氏の健康が悪化している」と交流サイト(SNS)に投稿した。

ベラルーシ国営ベルタ通信によると、ルカシェンコ氏は帰国後、首都ミンスクでの対独戦勝記念式典に出席。
同式典でルカシェンコ氏は例年、演説を行っていたが、今年はフレニン国防相が代読した。ロイター通信は
「ルカシェンコ氏は足元がおぼつかないようだった」と指摘。同氏が過去2週間、公式行事にほぼ出席していないとも伝えた。

ウクライナ侵略でベラルーシは基地を提供するなど露軍を間接支援している。

前線の戦況を巡り、最激戦地の東部ドネツク州バフムトでの戦闘に露軍側で参戦している露民間軍事会社
「ワグネル」トップのプリゴジン氏は9日、SNSを通じ、バフムトで一部の露軍部隊が「陣地を放棄して逃亡した」と非難した。
また、露国防省から供給を約束されていた弾薬のうち「10%」が供給されたと指摘。「なお数日はバフムトに
とどまる」と述べた。

プリゴジン氏は5日、露国防省からの弾薬供給不足を理由に「10日以降にバフムトからワグネル部隊を撤退させる」と表明。
その後、「露国防省が弾薬供給を約束した」とする声明を発表し、撤退の決定を見直す可能性を示唆していた。

AFP通信は9日、バフムト近郊で砲撃に巻き込まれ、同社の映像記者、アルマン・ソルダン氏(32)が死亡したと発表した。
https://www.sankei.com/article/20230510-6XXC7A3F5RKGTCLGUOHYBBAXMU/