防衛省は18日、領空侵犯の恐れのある航空機に対する自衛隊の緊急発進(スクランブル)が、2022年度は778回だったと発表した。
約4分の3が中国機に対するもので、特に無人機への対応が急増。
今年2月の米国による中国の偵察気球撃墜を受け警戒を強化したため、国籍や正体不明の飛行物体などを示す「その他」も増加した。
緊急発進は前年度比で226回減ったが、高い水準で推移。
浜田靖一防衛相は定例記者会見で「中国機およびロシア機の活発な活動は継続しており、厳正に対応したい」と警戒感を示した。
中国機への対応は全体の74%を占め、前年度比147回減の575回。ただ、無人機対応は中国機と推定されるものを含め10回と前年度の4回から急増した。新型機も確認され、運用能力の向上がうかがえる。
2月の「その他」に対する緊急発進は31回と過去最多を記録。22年度トータルでも53回と最多で、前年度より40回増えた。
同省は「今まで以上に入念に警戒した結果」としている。同月に領空侵犯した気球や無人機に対する武器使用要件を緩和したが、それに基づく対応はなかった。
ロシア機への対応は前年度比116回減の150回。中国との爆撃機共同飛行も2回確認された。ウクライナ侵攻の影響については「確たることは言えない」としている。

22年度の緊急発進778回=中国無人機増、気球警戒も―防衛省
https://article.auone.jp/detail/1/2/2/216_2_r_20230418_1681785832530967