■ここ二十数年で存在感を失ってきた総合スーパー

 「ワンストップショッピング」を標榜する総合スーパーという業態は、かつては小売業の王者として君臨していた。2000年時点の国内小売業のランキングをみればわかるが、
トップ10のうち6社がダイエー、イトーヨーカ堂を筆頭とする総合スーパーだった。

 しかし、総合スーパーはその後の二十数年でその存在感を失い、上記6社のうち、今、独立経営を維持しているのは、再編を乗り越えて2大流通グループとして生き残った、
イオン(旧ジャスコ)とイトーヨーカ堂のみである。

 総合スーパーが力を失った最大の要因は、非食品部門の売り上げを専門店チェーンに奪われたことにある。専門店チェーンとは、ユニクロなどのカジュアルアパレル、
ニトリ、ABCマート、ドラッグストア各社等々、商品ジャンルごとの専門店を指す。いわゆる大型ショッピングモールを構成するテナントの常連なので、総合スーパーの
非食品売場が代替されたといっても、感覚的にも納得いただけるだろう。

 総合スーパーのかつての基本的な収益構造は、購買頻度の高い食品を低価格販売することで来店してもらって、ついでに利益率の高い衣料品、生活雑貨などの
非食品も買ってもらうことで、トータルで収益を稼ぐというものだった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4ecf56244ba3e3a916a743a2328bb1a08dd31614