韓国向け輸出管理を解除、半導体部材など3品目 経産省

経済産業省は16日、日本が2019年7月に導入した韓国への半導体材料3品目の輸出管理の厳格化措置を解除すると発表した。輸出管理を巡る両政府の局長級対話を同日まで開き、韓国の輸出管理当局の体制や運用状況が改善されたと判断した。韓国政府は16日、厳格化措置を受けて進めてきた世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きを取り下げると発表した。

日本政府は軍事転用の恐れが低いとされる製品を自由に輸出できる「グループA(旧ホワイト国)」の対象からも韓国を除外していたが、この措置は継続し、対話を続ける。

政府は19年7月に半導体生産に不可欠な「フッ化水素」や「レジスト(感光剤)」、有機ELパネルの保護部材に使う「フッ化ポリイミド」の3品目で輸出案件ごとに個別審査を求める対象にしていた。企業が一度許可を取れば一定期間、個別審査なしで輸出できる「包括許可制度」を使うことができた。厳格化措置を解除し、19年7月以前の状態に戻す。

韓国は6日、日本による厳格化措置を受けて進めてきたWTOの紛争解決手続きを中断すると発表していた。経産省はこれを踏まえて「19年7月以前の状態に戻すべく、2国間の協議を速やかに行っていく」と説明していた。輸出管理を巡る政策対話は20年3月以来、3年ぶりとなる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA165VV0W3A310C2000000/